dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第36回人権理事会:すべての人権の促進と保護に関する一般討論を終結


文書番号:HRC/17/130E

ノート:

  • 国際キャリア支援協会より藤木俊一氏が慰安婦問題について発言。会合での発言や声明文の提出は別にして、この会議要約(のしかも数行の文章)自体にどの程度の影響力があるのか定かではないが、発言から北朝鮮への言及がオミットされてしまった。それにより慰安婦問題解決のために国連に圧力を加えるよう要請しているように見える。それはそうなのだが、とくに声明文の方では、韓国政府が「北朝鮮に支援を受けているグループに操られないように」圧力を加えることを(ちなみに sincerely 謹んで)要請する、といった文言が含まれており、この問題の背後には北朝鮮の関与があり、その目的である日米韓の分断工作を防ぐために「圧力を加えることを要請」している、と了解される(また、クマラスワミ報告についてもかなり詳しく解説している。ただし国連の決定による措置以外は「一方的強制措置」(14日会合の議題だった。こちら)という建前上、日米韓が共同で北朝鮮に圧力を加えるようなことは理事会が表立って歓迎するとはおもえない)。

  • 平和組織研究委員会(本部アメリカ、ニュージャージー):中国は「女性の権利を促進し保護するための多くの立法措置に加え政策が策定されていた」。ヒューマンライツ・ナウは、イラクにおける人権侵害について発言。
  • 国際キャリア支援協会のスピーチ(英語/日本語)(「「慰安婦の真実」国民運動」ホームページ)

  • 国際キャリア支援協会の声明文(国連公式文書システム
    慰安婦問題と特別報告者に関する国連への要請」(A/HRC/36/NGO/146)

  • ( UN Web TV の映像から)
    チャプター50:平和組織研究委員会/カルメン・ズビアーテ(Carmen Zubiate)氏
    チャプター63:ヒューマンライツ・ナウ/ヘレナ・ビートリス・サイダ・ミュラー(Helena Beatrice Saideh Muller)氏
    チャプター98:国際キャリア支援協会/藤木俊一氏
    ※ 藤木氏が、「このようなポルノ小説やマンガ」*1 と言ってコピー(?)を一瞬掲げて見せると、周りの他の団体の出席者など机の上に置かれても見ている(笑)。

  • 関連エントリ

掲載URL:

https://unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/81C5B6730B5F72E8C125819F004EA6CB?OpenDocument


HUMAN RIGHTS COUNCIL CONCLUDES GENERAL DEBATE ON THE PROMOTION AND PROTECTION OF ALL HUMAN RIGHTS
人権理事会、すべての人権の促進と保護に関する一般討論を終結

18 September 2017
2017年9月18日

The Human Rights Council this morning concluded its general debate on the promotion and protection of all human rights, civil, political, economic, social and cultural rights, including the right to development.
今朝の人権理事会は、開発権を含む、すべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の促進と保護に関する一般討論を終結させた。

[…]

General Debate on the Promotion and Protection of All Human Rights, Civil, Political, Economic, Social and Cultural Rights, including the Right to Development
開発権を含む、人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の促進と保護に関する一般討論

[…]

Commission to Study the Organization of Peace said in China a number of legislative measures as well as policies had been formulated to promote and protect the rights of women, including through the 1995 Poverty Reduction Plan. Despite the equity of human rights of men and women, there were some countries where women continued to suffer severe discrimination. This included Pakistan, where women continued to suffer from discrimination.
平和組織研究委員会は、中国においては、1995年の貧困削減計画を通じてなど、女性の権利を促進し保護するための多くの立法措置に加え政策が策定されていたと述べた。男女の人権の平等にもかかわらず、女性が深刻な差別の被害が続くいくつかの国があった。これは、女性が差別による被害が続いたパキスタンなどだった。

[…]

Human Rights Now expressed grave concern over human rights violations occurring in Iraq. Not only had ISIS used civilians as human shields, they had also been threatened by torture and extrajudicial killings by the Iraqi Security forces, including counter terrorism forces. Human Rights Now had reports and videos confirming the execution of civilians. The Iraqi Government was urged to protect civilians, particularly children and women.
ヒューマンライツ・ナウは、イラクで起こっている人権侵害に対する深刻な懸念を表明した。ISISが民間人を人間の盾として使用しただけでなく、テロ対策部隊を含むイラク治安部隊による拷問や超法規的殺人によっても脅かされていた。ヒューマンライツ・ナウは、民間人の処刑を確認する報告とビデオを持っていた。イラク政府は、一般市民、特に児童と女性を保護するよう強く促された。

[…]

International Career Support Association requested the Council to repeal the United Nations Special Rapporteur Ms. Coomraswamy’s report of 1996, the contents of which were not based on historical facts but on fictitious books such as pornographic novels. It also requested the Council to pressure the South Korean Government to fulfill its end of the “2015 Japan-South Korea Agreement” so that the two nations could resolve the comfort women issue finally and irreversibly as had been agreed upon.
国際キャリア支援協会は、1996年の国連特別報告者クマラスワミ氏の報告を撤回するよう理事会に要請した。その内容は歴史的事実ではなく、ポルノ小説などの架空の本に基づいていた。また、理事会に、合意したとおり両国が慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決できるように、韓国政府へ「2015年の日韓協定」の最終履行の圧力を加えるよう要請した。

[…]


2017年9月21日

*1:追記)クマラスワミ報告が依拠しているジョージ・ヒックス “The Comfort Women”(1995年)(邦訳:『性の奴隷 従軍慰安婦』)は、金一勉『天皇の軍隊と朝鮮人慰安婦』(1976年)に全面的に依拠しており、そちらの参考文献に週刊誌の記事や1970年10月9日『週刊読売』に掲載された「軍需品の女」というマンガがあるということである。