昭和天皇の戦犯除外に関するマッカーサーの報告(1946年1月25日)(続き)
最高機密
極東軍司令部
総務局長事務所
ラジオ・ケーブルセンター
1945年11月29日[*1]
宛先: CINCAFPAC[太平洋米軍最高司令部]、進駐 CINCAFPAC
送信元:ワシントン、統合参謀本部
番号: WX 85811
1. 国務、陸軍および海軍省から受け取った以下は、ヒロヒトという人物についてであり、天皇の制度についてのものではない。
2. ご承知のように、ヒロヒトが最終的に戦犯として裁かれるかどうかというテーマは米国にとって大きな関心事である。米国政府の立場は、ヒロヒトは戦犯としての逮捕、裁判および処罰を免れないというものである。ヒロヒトなしでも占領が十分に進められると思われる場合には、彼の裁判の問題が提起されるであろうと想定される。また、そのような提案が目的にかなうものであれば、同盟国のひとつないしはそれ以上から提起されることも想定される。
3. したがって、いずれにせよ、つねに十分なセキュリティ対策のもと、証拠の収集を遅らせてはならないことは明らかである。この証拠は、彼が最終的に裁判にかけられるかどうかにかかわらず必要であると思われる。なぜなら、彼を裁判にかけないという決定は、入手可能なすべての事実に照らしてなされるべきであるからである。
4. この件における決定が貴官の任務達成に与える影響は、ここではじゅうぶん理解されている。したがって、この問題のいかなる側面に関しても貴官のコメントを歓迎する。
5. いっぽう、証拠の収集は、証拠そのものや、多くの証拠が収集されているという事実のいずれもが明らかにならないよう、厳格なセキュリティ保護措置のもとで実施されることが求められる。その後、証拠は統合参謀本部に転送され、国務・陸軍・海軍調整委員会に提出される。いずれ貴官は、ヒロヒトを戦争犯罪人として訴訟することを是認あるいは許可する条件について提言するよう求められる。
無署名
24492
配布先:
総司令官
参謀総長
MON: SA. 45
2021年11月23日
*1:「連合国最高司令官総司令部最高機密ファイル(各部局)」