dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

日本:給付削減が貧困層の社会保障を脅かす、国連専門家が警告


文書番号:(なし)

ノート:

  • 国連人権高等弁務官事務所ホームページ「プレスリリース」(英語)より。日本語版がある(Word)。声明を発表したのはフィリップ・オルストン極度の貧困と人権の特別報告者(オーストラリア)、ホアン・パブロ・ボホスラブスキー対外債務と人権の独立専門家(アルゼンチン)、カタリーナ・デヴァンダス・アギラール障害者の権利の特別報告者(コスタリカ)、ローザ・コーンフェルド=マッテ高齢者の人権の独立専門家(チリ)の四名。

  • 政府はこの発表について人権高等弁務官事務所に抗議を行なったらしい(共産党倉林明子議員の質問に対する加藤勝信厚生労働相答弁)。

    第196回国会参議院厚生労働委員会(国会会議録検索システム)平成30年5月29日 第16号

    〇生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    […]

    国務大臣加藤勝信君)[…]ただ、この特別報告者に関しては、我が国政府の説明を受けないまま、一方的な情報に基づく報道発表だということでございます。我々としては大変遺憾であり、またその旨をジュネーブ国際機関日本政府代表部を通じて国連人権高等弁務官事務所にも抗議を行っているところであります。

    当方も「国連の人権専門家」の報道発表はずいぶんと「一方的」な印象を受けるのだが、ことにジェネリック医薬品の原則使用が「医薬品の使用に制限を課すこと」であるとしても、それが「国際人権法に違反する不当な差別に当たる」というのはついて行けない。

    ただし前半で石橋通宏議員(立憲民主党)が取り上げているとおり、「生活保護受給者については、全額公費による医療扶助が行われ、[…]後発医薬品を選択する動機付けが働きにくい」という説明は、後発品の使用割合の目標八〇%、平成二十九年の実績は生活保護七二・二%、医療全体六五・八%ではあまり説得力がない。伸び率が鈍っているとのことで、今後目標に近付けるには「動機付けが働きにくい」というのが効いてくるという見立て、とりあえず即効性のある対策でもあるだろうが、後発品を選択しない場合保険適用率を大幅に引き下げる等、全体のしくみで見直すなどではややこしいのであろうか。

    いずれにせよ「医薬品の使用に制限を課すこと」になっているのには違いないのだが、「ジェネリック医薬品の原則使用は」と明記しないのは印象操作のような「印象」を与え、腑に落ちない。

    ※ 昨年は下記のような騒動も(こちらの方が盛りあがったですな)。

  • 掲載URL:
    https://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=23124&LangID=E


2018年8月28日