dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

報道:米朝首脳会談共同声明での「体制の保証」


  • シンガポールでの「歴史的首脳会談」、テーマから外れる&カテゴリに「表現の自由」を入れたのに意味はないのだが、当方が視聴した地上波ではトランプ大統領北朝鮮の<体制を保証>したといった内容を報じていたとおもわれ。ところが声明英語原文は “security guarantees” だそうではないですか。当ブログの翻訳はひどいものですが(どちらもしばしば登場する)“regime” ならぬ “security” を「体制」と訳しますかね。「共同声明に記載」と報じていたかは定かではないですが。

    そんなんで、(会見など含む首脳会談全般や共同声明の要約等ではなく)共同声明「全文」としている記事から下記当該部分の翻訳がどうなっていたのかざっとさらってみた。

    President Trump committed to provide security guarantees to the DPRK, and Chairman Kim Jong Un reaffirmed his firm and unwavering commitment to complete denuclearization of the Korean Peninsula.

  • 調べた範囲ではテレビが「体制」としていた。また、“provide” を「与える」とすると米国大統領の方が上から目線なかんじか(産経、共同)。「提供」としている時事は “committed” も「誓約」としていてその逆の(「誓います」的な)印象を与える。

    韓国二紙は “DPRK” を「朝鮮民主主義人民共和国」と表記。赤旗はそのまま「DPRK」としているが、「決意」の「彼の」を直訳して主体をより明確にしているようにも見える。

    英語原文は(そのような慣例なのか)北の委員長の方だけフルネームだが、NHK ほかはファーストネームを省略。全体にロイターは簡潔で “security guarantees” もあっさり「安全保障」としている。

  • 英語原文(ホワイトハウス
    シンガポール・サミットでのアメリカ合衆国のドナルド・J・トランプ大統領朝鮮民主主義人民共和国金正恩委員長の共同声明」

  • 国連事務総長声明(国連会合報道とプレスリリース「プレスリリース 」(英語))
    SG/SM/19084-DC/3777:「事務総長、朝鮮民主主義人民共和国・合衆国首脳会談は持続可能な平和、非核化の推進において重要なマイルストーンと見なす」(2018年6月12日)

報道 NHKニュース 日テレNEWS24 毎日新聞
訳文 *1 トランプ大統領北朝鮮に体制の保証を提供する約束をし、キム委員長は朝鮮半島の完全な非核化について断固として揺るがない決意を確認した。 トランプ大統領は、北朝鮮に体制の保証を提供すると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化への断固として揺るぎない意志を再確認した。 トランプ大統領北朝鮮に安全の保証を提供することを約束し、金委員長は朝鮮半島の完全な非核化への、確固として揺るぎのない約束を再確認した。
なにを 体制の保証を 体制の保証を 安全の保証を
どうする 提供する約束 提供すると約束 提供することを約束
報道 時事通信 しんぶん赤旗 産経ニュース
訳文 *2 トランプ大統領北朝鮮に安全の保証を提供することを誓約し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に取り組む断固とした揺るぎない決意を再確認した。 トランプ大統領は、DPRKに対する安全の保証の提供を約束し、金正恩委員長は、朝鮮半島の完全な非核化に対する彼の強く揺るぎない決意を再確認した トランプ大統領北朝鮮に安全の保証を与えると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の非核化を完結するための固く揺るぎない約束を再確認した。
なにを 安全の保証を 安全の保証の 安全の保証を
どうする 提供することを誓約 提供を約束 与えると約束
報道 共同通信 朝鮮日報
聯合ニュース
ロイター
訳文 *3 トランプ大統領北朝鮮に安全の保証を与えることを約束し、金委員長は朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した。 トランプ大統領朝鮮民主主義人民共和国の安全を保証することを約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に向けた確固たる変わらない約束を再確認した。 トランプ大統領北朝鮮に安全保障を約束し、金委員長は朝鮮半島の完全な非核化への揺るぎない、固い決意を再確認した。
なにを 安全の保証を 安全を保証することを 安全保障を
どうする 与えることを約束 約束 約束

2017年6月17日

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