dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第36回人権理事会:恣意的拘留と奴隷制度の現代的形態に関する双方向対話/傭兵の使用および有害廃棄物に関する双方向対話を開始


文書番号:HRC/17/124E

ノート:

  • 中国が反発した、劉暁波氏の事件への恣意的拘留に関する作業部会議長の声明での言及(前日)は、会議要約への採録は確認できなかった(関連エントリ参照)。報告書の記載だろう。
    中国は、作業部会に、そのマンデートの中に細心の注意を払ってとどまり、真正かつ信頼できる情報を使用して、自らの信頼性を維持するよう呼びかけた。
    これはその通り。
  • 国際人権サービスが中国の江天勇氏の拘留を、ヒューマンライツ・ナウも中国の「709弾圧」とカンボジアでの政治的動機による拘留を非難した。中国人権研究会(CSHRS)は、「被害者は、拷問や虐待を受けていたことが観察された」とも発言しているが、どこの国を指しているのかわからない。こちらは "NNGO"(笑)だろう。「法の支配の国として中国は、[…]恣意的拘留に対する法的保護措置を採択した」と中国を擁護。「法の支配の国として」(味わい深い)。

  • この CSHRS という組織だが、2005年から2016年まで女子差別撤廃委員会の委員を務め、とくに2016年2月の日本の第7回・8回報告審査会において日本政府を舌鋒鋭く攻撃し、慰安婦問題界隈でも有名になった鄒曉巧(ゾウ・シャオチャオ、Zou Xiaoqiao)氏 *1 が理事を務めている(下記 p. 112 のプロフィール参照)*2

    CEDAW/SP/2004/3「2004年12月31日の任期切れに交代する、委員会の11人のメンバーの、条約第17条第4項および第5項に基づく選挙」(国連公式文書システム)経済社会理事会(ECOSOC)NGO課(NGO branch)の iCSO データベース(こちら)に登録のウェブサイトは(少なくともこの二日間は)当方からアクセス不能なのだが、Wayback Machine は昨日(2017年9月18日)もアーカイヴを更新しているのであった。なお、iCSO の登録どおり会議要約も "China Human Rights Studies" の名称を使用しているが、下記によれば上記文書 p. 112 の鄒氏プロフィールでの記載や "CSHRS" が示唆するように、「正式の」英語名称は "China Society for Human Rights Studies" のようである。

  • ヒューマンライツ・ナウ声明文(国連公式文書システム)

    ヒューマンライツ・ナウは、2015年7月弾圧から2年続く、中国政府による人権擁護者や弁護士の拘束に強く抗議する」(A/HRC/36/NGO/62)

    カンボジア政府は敵対勢力への嫌がらせをやめ、2018年の選挙が自由公正なものになるよう保証すべきである」(A/HRC/36/NGO/63)
    ※ 本件はアジェンダ項目10「技術支援とキャパシティ・ビルディング」(9月28日会合)に提出、そちらで発言を行なっている。

  • ( UN Web TV の映像から)
    チャプター15:中国/ワン・イン(Wang Ying)政府代表
    チャプター28:韓国/ユン・サンウク(Yoon Sang Wook)在ジュネーブ政府代表部参事官
    チャプター43:国際人権サービス/サラ・ブルックス(Sarah Brooks)氏
    チャプター44:中国人権研究会/チ・ドピアン(Depiang Chi)氏
    チャプター45:ヒューマンライツ・ナウ/ヘレナ・ビートリス・サイダ・ミュラー(Helena Beatrice Seideh Muller)氏

  • 関連エントリ

掲載URL:https://unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/2FEEC570EDFA883AC125819A00474501?OpenDocument


HUMAN RIGHTS COUNCIL BEGINS INTERACTIVE DIALOGUE ON USE OF MERCENARIES AND ON HAZARDOUS WASTES
人権理事会、傭兵の使用および有害廃棄物に関する双方向対話を開始

 Concludes Interactive Dialogue on Arbitrary Detention and on Contemporary Forms of Slavery, Hears Addresses by Secretary-General of the Association of Southeast Asian Nations (ASEAN), and Minister of Human Rights of Yemen
恣意的拘留と奴隷制度の現代的形態に関する双方向対話を終結東南アジア諸国連合ASEAN)事務総長と、イエメンの人権大臣による演説を聞く

13 September 2017
2017年9月13日

The Human Rights Council this morning began a clustered interactive dialogue with Gabor Rona, Chairperson-Rapporteur of the Working Group on the use of mercenaries as a means of violating human rights and impeding the exercise of the right of peoples to self-determination, and with Baskut Tuncak, Special Rapporteur on the implication for human rights of the environmentally sound management and disposal of hazardous substances and wastes.
今朝の人権理事会は、人権侵害と人民の自決権の行使を妨害する手段としての傭兵の使用に関する作業部会の議長報告者ガバナー・ロナおよび、有害物質および廃棄物の環境に配慮した管理および処分の人権への意義に関する特別報告者バスクト・トゥンカックとの集約化双方向対話を開始した。

[…]

Interactive Dialogue with the Working Group on Arbitrary Detention and the Special Rapporteur on Contemporary Forms of Slavery
恣意的拘留に関する作業部会と奴隷制度の現代的形態に関する特別報告者との双方向対話

[…]

China noted that the Chair of the Working Group had made an irresponsible statement about the case of Mr. Liu Xiaobo, to which China firmly objected, as his case did not represent arbitrary detention. China invited the Working Group to scrupulously remain within its mandate and to use authentic and reliable information so as to preserve its own credibility. Turning to the issue of contemporary forms of slavery, the root causes ought to be dealt with. South Africa commended the Working Group for designing and implementing a follow-up procedure to better track implementation of its recommendations. 
中国は、作業部会の議長が、事件は恣意的拘留を表すものではないと中国が強く異議を唱えた劉暁波(リウ・シャオポー)氏の事件について、無責任な声明を行なったと指摘した。中国は、作業部会に、そのマンデートの中に細心の注意を払ってとどまり、真正かつ信頼できる情報を使用して、自らの信頼性を維持するよう呼びかけた。奴隷制度の現代的形態の問題に目を向けると、根本的な原因に対処すべきだった。

[…]

Republic of Korea took note of the recent legislation in some countries such as France, the United Kingdom and the United States to ensure transparency of the global supply chain. These could be references to protect and promote human rights in times of global connectivity. On the issue of contemporary forms of slavery, the Republic of Korea was concerned about the exploitation of “North Korean” workers sent abroad by their Government.
韓国は、グローバル・サプライチェーンの透明性を確保するためのフランス、英国、米国など一部の国における最近の法律に留意した。これらは、グローバルな接続性の時代に人権を守り、促進するための参考になる可能性がある。現代の奴隷制度の問題について、韓国は、政府が海外に派遣した「北朝鮮」労働者の搾取についてが懸念された。

[…]

International Service for Human Rights remained concerned about the use of arbitrary detention to silence and intimidate human rights defenders. Four United Nations human rights experts had called on China to immediately release the Chinese lawyer and human rights defender Jiang Tianyoung, held since 21 November 2016.
国際人権サービスは、人権擁護者を沈黙させ脅迫するための恣意的拘留の使用について引き続き懸念した。四名の国連の人権専門家が、2016年11月21日から拘束された中国人弁護士で人権擁護者の江天勇(ジアン・ティアンヨン)を直ちに解放するよう中国に要請していた。

China Human Rights Studies (CSHRS) said that, as a country of rule of law, China had adopted legal safeguards against arbitrary detention that was prohibited by international law. It was observed that in many cases, victims of arbitrary detention were subject to torture and ill treatment. Human Rights Now regretted that civil society activists and opposition leaders were still arbitrarily detained for politically motivated charges in Cambodia. Furthermore, there were concerns about the arbitrary detention and harassment of activists and lawyers involved in the “709 crackdown” in China.
中国人権研究会(CSHRS)は、法の支配の国として中国は、国際法によって禁じられていた恣意的拘留に対する法的保護措置を採択したと述べた。多くの事例において、恣意的拘留の被害者は、拷問や虐待を受けていたことが観察された。ヒューマンライツ・ナウは、カンボジアにおいて市民社会運動家や野党指導者が、依然として政治的動機で拘留されていたことが遺憾だった。さらには、中国における「709弾圧」に関わる活動家や弁護士の恣意的拘留や嫌がらせについての懸念があった。

[…]


2017年9月19日

*1:「歴史は歴史である(History is a history)」の名文句(?)に「70年前に起こったことであっても、誰も歴史や歴史的事実の変更や否定することは出来ない」etc. とやって CCTV が大きくフィーチャーしたりした。杉山審議官の反論はカット、英文スーパー付き中継動画を、英文文字起こしの説明文とともに当日速攻で流すという CCTV の手際の良さにも感心させられたものだった。NHK ワールドが対抗する筈もなく、日本の外務省がホームページに杉山発言英訳をアップしたのはひと月以上あとである。政府が会合で初めて本格的に反論、と一部では話題になっていたものの、これまでの経緯を考えればショボい上に発信力の差も明らか。なお、上記鄒委員の発言部分は国連条約機関ウェブキャストの "Japan 2"(の終わりの方)に残されているが、公式の要約記録や、プレスリリースの会議要約には採録されていない。「非難を控える」日韓合意の影響による提出報告の変更やら、その後の女性皇位継承に関する勧告騒動やら、なにかと話題の多い会合だった。

「CEDAW 第63回セッション – 日本」(国連条約機関ウェブキャスト)

「日本政府、国連セッションにおいて慰安婦問題を否定」( CCTV + YouTube 公式チャンネル)

中国網(チャイナネット)「視点」(2016年3月20日

産経ニュース(2016年3月9日)

*2:本文後述の状況、かつ当該のサブページはアーカイヴ更新されていないので、現在も理事なのかは確認できなかったが、2016年9月24日アーカイヴに名が見える(下記)ちなみに上掲の女子差別撤廃委員会の文書のプロフィールにもあるとおり、鄒氏は中華全国婦女連合会の国際部長も務めている。2012年に新日本婦人の会が「定期交流会」で中国訪問した折、笠井喜美代会長らと写真に収まっている様子がアップされていた(同会ホームページ)。