dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第41回人権理事会:意見と表現の自由ならびに平和的集会および結社の自由/移住者の人権ならびに人権と国際連帯に関するマンデート保持者との双方向対話を終結


文書番号:HRC19.065E

ノート:

  • 表現の自由に関する特別報告者、デイヴィッド・ケイ氏による報告。フォローアップ報告書(A/HRC/41/35/Add.2)における日本についての報告内容への言及は無し。2017年の日本訪問報告については関連エントリ 2017-06-12 参照。

[追記]
<フォローアップ報告書(A/HRC/41/35/Add.2)より日本>

  • 2017年の日本訪問報告書同様に外務省仮訳が出るかともおもっていたのだが(外務省ウェブサイト「国際人権規約」リンク先参照)、現在のところその様子もないので当該部分など訳出した。外務省も相手にするのをやめたのか(苦笑)、当報告書にも作成にあたっての情報提供要請に応答が無かったとある(ドラフトへのコメントは行なった模様、パラグラフ7)*1 。後ろにリンク掲載した産経6月7日(およびジャパンフォワード6月14日)付「主張」のとおりなのだが、このようなやり取りに外務省および国連への拠出を通じ税金が使われているとおもうと脱力、

    訪問後なされた勧告のすべては適切なままである。[パラグラフ13]

    は、訪問後なされた勧告のほとんどはとんちんかんなままである、としたい(笑)。ここでは例によって備忘としていくつか関連する報道をリンクする。

    意見および表現の自由の保護に関する第19条および第21条の修正の提案を含[…む、]日本国憲法改憲提案という状況下において訪問を行なった。[パラグラフ5]

    今でもサイトには掲げられているが、当時の自民党改憲案はどっか行っちゃいました。第21条では「これを保証する」の「これを」を削除するのはけしからん!といった「人権派」の方々の議論もあったような(おもに追加された第二項にキィーっとなったのであろうが)。

    パラグラフ8は放送法第4条から、東京新聞/望月衣塑子記者についての官邸申し入れをつないで緊張が「強化」されているとする。日本訪問時の三人の TV キャスターから望月記者に主役交代、パラグラフ9はこの件で東京新聞新聞労連がとった措置などを称賛しているのだろうが、下記はさいきん文春が報じた新聞労連によるアンケートについての記事 *2

    週刊文春(2019年7月18日号)

    勧告もあったにも関わらず、今回も新聞などのメディアはキシャクラブについては報道せず(これに限らず個別の中身まで報じてはいなかったが)。またパラグラフ8の注釈 *1 が引いている文書は A/HRC/35/22/Add.1(2017年の日本訪問報告)の誤りだろう。参照されている、キシャクラブを解説したパラグラフ34は、数少ない(?)妥当な指摘のひとつとおもわれ(外務省ウェブサイトへのリンク先参照)。

    月刊ベルダ(2018年5月号)そういえば元財務官僚の高橋洋一教授は、広報関係担当時代(紙(ペーパー)欲しがる)ヤギに餌やって来い言われたと。

    パラグラフ10、慰安婦など歴史問題への政府の介入が「悪化」、パラグラフ11は相変わらず沖縄の活動家、山城博治氏の件。後者のフォローアップ情報の提供(の少なくともひとつ)は反差別国際運動(IMADR)(後述)。

    沖縄タイムス(2018年12月14日)

<理事会会合>

  • ケイ氏は昨年、コンテンツ・モデレーションの「ベストプラクティス」に関して中国の企業を訪問するなどとのんきな(?)ことを述べていたのだが *3

    ここでは「厳格な人権保護が実施されるまで、民間の監視産業のツールのグローバルな販売、移転および使用の即時停止を求め」る報告。中国政府はとうぜん「民間」ではない。報告では第一に民間の監視業界をやり玉に挙げ規制するよう各国に求めているようである(本文報告書  A/HRC/41/35 ならびに下記掲載国連人権高等弁務官事務所ホームページへのリンク先参照)。

  • 「移住者、国際連帯」で中国、「表現の自由、平和的集会と結社」で日本(フォローアップ報告への反論、下記掲載外務省声明およびメディア報道など参照)、ならびに韓国、中国が発言。

  • ヒューマンライツ・ナウが意見と表現の自由で発言。24日の声明同様、同 NGO 英語版サイトが報じている(現時点で日本語版未掲載)。

    国連公式文書システム(英語):A/HRC/41/NGO/158「日本政府はメディアの自由に対する制限を終わらせなければならない」(2019年6月18日)

    NGO は二年前のケイ氏日本訪問の際の事務局長/伊藤和子弁護士に対する「情報当局による監視」(や自民党杉田水脈議員の国会発言)に関する申し立ても行なっていた。

  • 日本政府の反論を受け、7月1日に「沖縄における表現の自由」について反差別国際運動(IMADR)が声明を行なう(関連エントリ 2019-07-01 参照)。

    NGO は二月に沖縄国際人権法研究会(AOCHR)*4 と共同でフォローアップ情報の提供を行なっている。

    • 表現の自由に関する国連特別報告者の日本公式訪問報告書 NGO フォローアップ報告(2019年2月19日)(英語(PDF)/日本語抄訳版(PDF))

    上掲によれば、人権理事会の恣意的拘禁に関する作業部会から沖縄の活動家、山城博治氏に関する意見書を引き出していた模様。

    「OHCHR | 第82回セッション(2018年8月20日 - 24日)で採択された意見」(恣意的拘禁に関する作業部会)

    • A/HRC/WGAD/2018/55「(日本)山城博治に関する意見55/2018号」(2018年12月27日)(英語

    上掲のセッションでは下記のような意見も採択されていた。

    • A/HRC/WGAD/2018/40「(韓国)シン・チョンインおよびペク・スンヒョンに関する意見40/2018号」(英語)- 兵役忌避者

    • A/HRC/WGAD/2018/54「(中国、北朝鮮)カン・キョンヒ、キム・スンチョル、イ・キムナムおよびイ・ミョンジュに関する意見54/2018号」(英語)- 中国から送還された脱北者および北朝鮮市民

    • A/HRC/WGAD/2018/62「(中国)王全璋[ワン・クワンチャン]、江天勇[ジアン・ティアンヨン]、李昱函[リー・ユイハン]に関する意見62/2018号」(英語)- 人権派弁護士

  • 先般設立された国際歴史論戦研究所(iRICH)が(おそらく)国際キャリア支援協会から意見書 “Japan’s Broadcasting Law and the distorted report of Special Rapporteur Mr. David Kaye(日本の放送法と特別報告者デイヴィッド・ケイ氏の歪んだ報告)” を提出していたようだが国連公式文書システム(英語)では確認できなかった *5

  • (外務省声明)
    第41回人権理事会 議題3 「表現の自由」特別報告者とのインタラクティブ・ダイアローグにおける岡庭健大使によるステートメント(令和元年6月26日)(英語

  • (外務省ウェブサイト)

  • (メディア報道より)

    • 共同通信

      (2019年6月28日)

      (2019年6月26日)

      (2019年6月5日)

    • 朝日新聞

      (2019年7月6日)

      当会合への言及は無いが、ニューヨーク・タイムズを引いた関連記事。NYT の記事とは下記か。朝日は NYT が「東京新聞記者の質問に対する回答を拒むなど、そのメディア対応を指摘したうえで」などと展開して「日本、独裁政権のよう」と嬉しそう(?)だが、NYT は下記タイトルのように望月記者自身をとり上げた記事である。「角度」の付けかたも味わい深い(笑)。

      「この記者はたくさんの質問をする。日本ではそれが彼女を珍しくしている」(2019年7月5日)

      取材に答えるのは林香里東大教授や永田浩三武蔵大教授、ケイ氏も登場。田崎史郎氏もコメントしているが「キシャクラブ」という如何わしいシステムを擁護しているだけのように切り取られている(ように思える)。筆者はモトコ・リッチ東京支局長、左翼メディア・サークルによる、得意の報道ロンダリングといったところか。

      (2019年6月6日)

    • 産経新聞

      (2019年6月27日)

      (2019年6月7日)

      ジャパンフォワード(上掲記事英語版)

      「主張 | 国連人権理事会の優先順位は偽善的」(2019年6月14日)

      (2019年6月5日)

    • ハフポスト(2019年6月28日)(AbemaTV『けやきヒルズ』)

    • NHKニュース(2019年6月27日)

    • 日テレNEWS24(2019年6月27日)

  • 国連人権高等弁務官事務所ホームページ(英語))

    • 「国連専門家、監視ツールの販売、移転および使用に関する即時の一時停止求める」(2019年6月25日)(英語

    • 「意見と表現の自由の推進と保護に関する特別報告者(英語)(「特別手続(Special Procedures)」(英語))- Web アーカイブ英語
    • 「コミュニケーション・サーチ」(「特別手続」)

  • ( Freedex – 意見と表現の自由に関する国連特別報告者ウェブサイト)(英語)– カリフォルニア大学アーバインロースクールとの提携サイト

    「国別訪問 – 日本」(英語

  • ( UN Web TV )

    チャプター01:意見と表現の自由の推進と保護に関する特別報告者/デイヴィッド・ケイ(David Kaye)氏
    チャプター27:日本/岡庭健在ジュネーブ政府代表部大使
    チャプター37:韓国/イ・チャングン(Jang-Keun Lee)在ジュネーブ政府代表部次席常駐代表

    チャプター13:中国/ジュウ・フィラン(Huilan Zhu)政府代表
    チャプター45:ヒューマンライツ・ナウ/オゲネカロ・オカンデジ(Oghenekaro Okandeji)氏
    チャプター47:意見と表現の自由の推進と保護に関する特別報告者/デイヴィッド・ケイ氏(最終発言)

  • 関連エントリ

    (訪日報告関連)

掲載URL:
https://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/202D72FA85306DCEC1258424006252C2?OpenDocument


HUMAN RIGHTS COUNCIL DISCUSSES FREEDOM OF OPINION AND EXPRESSION AND FREEDOM OF PEACEFUL ASSOCIATION AND OF ASSEMBLY
人権理事会、意見と表現の自由ならびに平和的集会および結社の自由を議論

Concludes Interactive Dialogue with Mandate Holders on the Human Rights of Migrants and on Human Rights and International Solidarity
移住者の人権ならびに人権と国際連帯に関するマンデート保持者との双方向対話を終結

26 June 2019
2019年6月26日

The Human Rights Council this morning held a clustered interactive dialogue with David Kaye, the Special Rapporteur on the promotion and protection of freedom of opinion and expression, and with Clément Nyaletsossi Voule, Special Rapporteur on the rights to freedom of peaceful assembly and of association. At the beginning of the meeting, the Council concluded its interactive discussion with the Special Rapporteur on the human rights of migrants and the Independent Expert on human rights and international solidarity.
人権理事会は今朝、意見と表現の自由の推進と保護に関する特別報告者、デイヴィッド・ケイ、ならびに平和的集会および結社の自由の権利に関する特別報告者、クレマン・ニアレッツーシ・ブールとの集約化双方向対話を開催した。会議の始めに理事会は、移住者の人権に関する特別報告者および人権と国際連帯についての独立専門家との双方向討論を終結した。

Mr. Kaye said the overall picture for freedom of opinion and expression over the past year had been grim and recalled the obligations of States, in restricting expression, to always meet the test of legality, necessity and proportionality, and legitimacy of objective. Turning to his thematic report on the private surveillance industry and human rights, he noted that the world was witnessing a surveillance free for all, an environment in which States and industry were essentially collaborating on the spread of technology that was causing immediate and regular harm to individuals worldwide, in particular those that were essential to democratic life - journalists, defenders, opposition figures, lawyers, and others. Mr. Kaye called for an immediate moratorium on the global sale, transfer and use of the tools of the private surveillance industry until rigorous human right safeguards were put in place. He also presented a report from his visit to Ecuador.
ケイ氏は、過去一年間の意見と表現の自由の全体像は厳しくなり、表現の制限における、合法性、必要性および均衡性、ならびに客観的正当性のテストを常に満たすための締約国の義務を想起した。民間の監視産業と人権に関するテーマ別報告に目を向けると、彼は、世界は無制限の監視を目撃しており、世界的に個人、とくに民主的生活に欠かせない人たち——ジャーナリスト、擁護者、反対派、弁護士など——に即時かつ定常的な損害を与えていた技術の拡散に、締約国と産業が本質的には協力していた環境を指摘した。ケイ氏は、厳格な人権保護が実施されるまで、民間の監視産業のツールのグローバルな販売、移転および使用の即時停止を求めた。彼はまた、エクアドルへの訪問からの報告を発表した。

[…]

Taking the floor in the discussion were European Union; Sweden (on behalf of the Nordic and Baltic countries); Angola (on behalf of the African Group); Estonia (on behalf of a group of countries) ; Costa Rica (on behalf of a group of countries); Canada; Brazil; Russian Federation; UN Women; Pakistan; Lithuania; Tunisia; India; Australia; State of Palestine; Cuba; Burkina Faso; Czech Republic; Algeria; Israel; Japan; Montenegro; Venezuela; Germany; Egypt; Maldives; Jordan; Netherlands; France; Saudi Arabia; Republic of Korea; Malta; South Africa; Bahrain; Myanmar; Botswana; Latvia; Iraq; ; Afghanistan; Chile; Bolivia; Switzerland; Colombia; China; Iran; Belgium; Luxembourg; United Kingdom ; Nepal; Austria; Nigeria; Ukraine; Ireland; Albania; Turkey; Greece; Cameroon; Viet Nam; United Republic of Tanzania; Indonesia; Ecuador; Cyprus;

The non-governmental organizations that spoke were Christian Solidarity Worldwide (in a joint statement with International Service for Human Rights; Helsinki Foundation for Human Rights; and CIVICUS - World Alliance for Citizen Participation); Americans for Democracy & Human Rights in Bahrain Inc; World Organisation Against Torture; Article 19 - International Centre against Censorship, The (in a joint statement with Asian Forum for Human Rights and Development); Al Mezan Centre for Human Rights; Mexican Commission of Defense and Promotion of the Human Rights; American Association of Jurists; Human Rights House Foundation; American Civil Liberties Union; International Center for Not-for-Profit Law (in a joint statement with Article 19 - International Centre against Censorship, The); Peace Brigades International Switzerland; Commonwealth Human Rights Initiative; Association for Progressive Communications; Human Rights Now; and Shivi Development Society.

At the beginning of the meeting, the Council concluded the clustered interactive dialogue on the human rights of migrants and on human rights and international solidarity that it started on 25 June.
会合の始めに、理事会は、6月25日に開始した、移住者の人権および国際連帯に関する集約化双方向対話終結した。

[…]

Speaking in the interactive debate were Azerbaijan; Bahamas; Colombia; China; Iran (islamic rep. Of); Luxembourg; Nepal; Nigeria; Bangladesh; Senegal; Lesotho; Cameroon; Cyprus; El Salvador; Global Alliance of National Human Rights Institutions; Associazione Comunita Papa Giovanni XXIII (in a joint statement with several NGOs1); Franciscans International; Friends World Committee for Consultation ; Centro de Estudios Legales y Sociales (CELS) Asociación Civil (in a joint statement with Amnesty International); Human Rights Law Centre; International Federation Terre des Hommes; International Volunteerism Organization for Women, Education and Development – VIDES (in a joint statement with Istituto Internazionale Maria Ausiliatrice delle Salesiane di Don Bosco); International Fellowship of Reconciliation; Ingenieurs du Monde; Mexican Commission of Defense and Promotion of the Human Rights; Action Canada for Population and Development; World Federation of Ukrainian Women's Organizations; International Organization for the Elimination of All Forms of Racial Discrimination; Asian-Pacific Resource and Research Centre for Women (ARROW); and Americans for Democracy & Human Rights in Bahrain Inc.

The Human Rights Council will next hold a clustered interactive dialogue with the Special Rapporteur on extrajudicial, summary or arbitrary executions and the Special Rapporteur on the right to education.
人権理事会は次に、超法規的、簡易的または恣意的処刑に関する特別報告者、ならびに教育権に関する特別報告者との集約化双方向対話を開催する。

[…]

Interactive Dialogue with the Special Rapporteurs on the Promotion and Protection of Freedom of Opinion and Expression and on the Rights to Freedom of Peaceful Assembly and of Association
意見と表現の自由の促進と保護ならびに平和的集会および結社の自由の権利に関する特別報告者との双方向対話

Documentation
ドキュメンテーション

The Council has before it the Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression (A/HRC/41/35) Advanced Edited Version A/HRC/41/35).
評議会にはその前に、意見と表現の自由の権利に関する促進と保護に関する特別報告者の報告(A/HRC/41/35)先行編集版(A/HRC/41/35)がある。

[…]

The Council has before an addendum to the Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression – Follow-up on country visits (A/HRC/41/35/Add.2).
理事会にはその前に、意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者の報告補遺——国別訪問に関するフォローアップ(A/HRC/41/35/Add.2)がある。

[…]

Presentation of Reports by the Special Rapporteurs on the Promotion and Protection of Freedom of Opinion and Expression and on the Rights to Freedom of Peaceful Assembly and of Association
意見と表現の自由の促進と保護ならびに平和的集会および結社の自由の権利に関する特別報告者による報告のプレゼンテーション

DAVID KAYE, Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression, […]
意見と表現の自由への権利の促進と保護に関する特別報告者、デイヴィッド・ケイ
は、[…]

On his visit to Ecuador from 5 to 11 October, the Special Rapporteur expressed gratitude for the support provided by the Government as well as the willingness of members of civil society to share their views on the situation in their country. Mr. Kaye said that he and Clément Nyaletsossi Voule, the Special Rapporteur on the rights to freedom of peaceful assembly and of association, agreed that over the past decade, the enjoyment of the right to freedom of expression had regressed in the country. Ecuador had stigmatized and persecuted journalists, undermined independent civil society organizations, and limited access to information, treating freedom of expression as a privilege rather than an individual right guaranteed by the Constitution and international human rights law. Acknowledging that the Government had taken steps to put an end to these violations, he stressed that this also required revisions of laws and regulations. Mr. Kaye underlined that he had submitted a follow up report that analyzed the implementation of key recommendations in the mandate’s visits to Côte d’Ivoire, Honduras, Israel and the occupied Palestinian territories, Japan and Turkey, hoping that they could be a vehicle for further and deeper engagement with States in the future.
10月5日から11日までのエクアドル訪問に関して、特別報告者は、政府からの支援に加えて、市民社会のメンバーが彼らの国における状況に関する見解を共有する意思について感謝の意を表した。ケイ氏は、彼と平和的集会および結社の自由の権利に関する特別報告者、クレマン・ニアレッツーシ・ブールが、同国において過去10年に渡り表現の自由の権利の享受が後退していたことで合意したと述べた。エクアドルは、表現の自由憲法と国際人権法によって保証された個人の権利ではなく特権として扱い、ジャーナリストを非難し迫害し、独立した市民社会組織を弱体化させ、情報へのアクセスを制限していた。同政府はこれらの違反を阻止するための措置を講じていたことを認め、これには法令の改正も必要であると強調した。ケイ氏は、それらが将来、締約国とのより深くより深い関わり合いのための手段になることを望んで、コートジボワールホンジュラスイスラエルパレスチナ被占領地、日本およびトルコへのマンデート訪問における重要な勧告の実施を分析したフォローアップ報告を提出していたことを強調した。

[…]

1 Joint statement on behalf of: Associazione Comunita Papa Giovanni XXIII; International Youth and Student Movement for the United Nations; VIVAT International; Teresian Association; International Organization for the Right to Education and Freedom of Education (OIDEL); International Volunteerism Organization for Women, Education and Development - VIDES; Passionists International; Istituto Internazionale Maria Ausiliatrice delle Salesiane di Don Bosco; and World Union of Catholic Women's Organizations.



United Nations

A/HRC/41/35/Add.2

General Assembly

Distr.: General
28 May 2019

English only

Human Rights Council
Forty-first session

24 June−12 July 2019
Agenda item 3
Promotion and protection of all human rights, civil,
political, economic, social and cultural rights,
including the right to development

Follow-up on country visits

Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression

国連

A/HRC/41/35/Add.2

総会

分類:一般
2019年5月28日

英語のみ

人権理事会
四十一回セッション

2019年6月24日 - 7月12日
アジェンダ項目3
開発権を含む、すべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の促進と保護

国別訪問フォローアップ

意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者の報告

[…]

I. Introduction
I. 前書き

1. Pursuant to Human Rights Council resolution 34/18, the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression submits the present report in follow-up to the official visits that were undertaken by the mandate holder to Japan (2016), Turkey (2016), Honduras (2012), Israel and the occupied Palestinian territories (2011) and Côte d’Ivoire (2004). This is the first such report prepared by the mandate holder.
人権理事会決議34/18に従い、意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者は、マンデート保持者によって行なわれた日本(2016年)、トルコ(2016年)、ホンジュラス(2012年)、イスラエルパレスチナ被占領地(2011年)、およびコートジボワール(2004年)への公式訪問のフォローアップにおける本報告書を提出する。これは同マンデート保持者によって作成された最初のそうした報告書である。

2. In January 2019, the Special Rapporteur sent questionnaires concerning the status of the recommendations made following the visits to the respective States. The Special Rapporteur also issued an open call for submissions, requesting input from civil society and other interested actors, including in the countries concerned. Replies were received from Honduras, the Palestinian Authority and Turkey, along with 21 submissions from nongovernmental organizations (NGOs) and individuals. Those replies, together with information gathered from United Nations bodies, regional human rights organizations and civil society and publicly available information, have informed the report, in which the status of implementation of each recommendation has been evaluated as falling into one of four categories: implemented, partially implemented, not implemented or contravened.
2. 2019年1月、特別報告者は、それぞれの国への訪問後になされた勧告の状況に関する質問票を送付した。特別報告者はまた、関係国を含む市民社会や他の関係者からのインプットを要請する提出物についての公募も発表した。ホンジュラスパレスチナ自治政府およびトルコからほか、非政府組織(NGO)や個人から21の提出を受け取った。これらの回答は、国連機関、地域人権団体および市民社会から集められた情報ならびに公に入手可能な情報と共に、各勧告の実施状況が四つのカテゴリ:履行された、部分的に履行された、履行されなかったまたは違反したのうちの一つに分類されて評価される報告に報じられている。

3. The Special Rapporteur expresses his gratitude to all those who provided input for the report, which is intended to serve as a useful reference for States, civil society, the current mandate holder and his successors. Submissions received in its preparation can be found at: www.ohchr.org/EN/Issues/FreedomOpinion/Pages/OpinionIndex.aspx or https://freedex.org.
3. 特別報告者は、報告書に意見を述べたすべての人々に感謝の意を表明し、それは締約国、市民社会、現在のマンデート保持者および彼の後継者にとって有用な参考資料となることを意図している。その準備において受け取った提出物は下記で確認できる:www.ohchr.org/EN/Issues/FreedomOpinion/Pages/OpinionIndex.aspx または https://freedex.org 。

II. Follow-up on country visits
II. 国別訪問に関するフォローアップ

A. Japan
A. 日本

4. The Special Rapporteur undertook an official visit to Japan from 12 to 19 April 2016. He presented his report on the visit at the thirty-fifth session of the Human Rights Council, held in June 2017 (A/HRC/35/22/Add.1 and Corr.1). Comments on the report were submitted by the State at the same session (A/HRC/35/22/Add.5).
4. 特別報告者は、2016年4月12日から19日まで日本への公式訪問を実施した。彼は、2017年6月において開催された人権理事会第三十五回セッションで同訪問に関する彼の報告を発表した(A/HRC/35/22/Add.1 および Corr.1)。報告に対するコメントは、同じセッションで締約国により提出された(A/HRC/35/22/Add.5)。

5. During the visit, the Special Rapporteur identified significant concerns regarding the independence of the media and its role as a public watchdog committed to investigative journalism; the manipulation of media outlets through an opaque and clique-based system of press clubs and incentives to practice “access journalism”; and the impact of secrecy laws on the public’s right to information. Journalists, activists, academics and others shared with the Special Rapporteur their concerns that freedom of expression was under significant stress. The Special Rapporteur carried out the visit in the context of proposed changes to the Constitution of Japan, the bedrock for the protection of all human rights in the country, including proposals to revise articles 19 and 21, on the protection of freedom of opinion and expression, and introduce restrictions inconsistent with article 19 of the International Covenant on Civil and Political Rights.
5. 訪問中、特別報告者はメディアの独立性と、調査ジャーナリズムを任ずる公共の監視機関としてのその役割に関して重大な懸念を確認した:不透明で排他性に基づいた記者クラブのシステムと「アクセス・ジャーナリズム」を実践するためのインセンティブを通じた報道機関の操作、そして秘密保持法が公衆の情報への権利に与える影響。ジャーナリスト、活動家、学者およびその他の人々は、表現の自由が大きな圧力にさらされているという懸念を特別報告者と共有した。特別報告者は、意見および表現の自由の保護に関する第19条および第21条の修正の提案を含み、市民的および政治的権利に関する国際規約第19条と矛盾する制限を導入する、国内すべての人権保護のための基盤、日本憲法改憲提案という状況下において訪問を行なった。

6. Subsequent to the visit, the Special Rapporteur made recommendations concerning media independence; interference in history teaching; restrictions on demonstrations and electoral campaigning; access to information; discrimination and hate speech; and digital rights.
6. 訪問後、特別報告者はメディアの独立性に関する勧告を行った:歴史教育における干渉、デモや選挙運動の制限、情報へのアクセス、差別やヘイトスピーチ、およびデジタル著作権

7. The Special Rapporteur regrets that no reply was received from the State in response to his request for information in the preparation of the present report, however, he thanks the State for its comments on the draft version sent to the Government prior to the finalization of the report. Not only has positive action not been taken on the recommendations made, but the Special Rapporteur has received reports of several worrying developments, including those addressed in the four communications sent by the Special Rapporteur since the visit. Table 1 contains a summary of the status of implementation of the recommendations.
7. 特別報告者は、本報告作成における情報についての要請へ締約国から返答を受けなかったことは遺憾だったが、報告書の完成に先立って政府に送られた草案に対するコメントについて締約国に感謝する。行なわれた勧告に対して肯定的な措置がとられていないだけでなく、特別報告者は、訪問以来特別報告者により送付された四つのコミュニケーションで扱われたものを含む、いくつかの憂慮すべき展開の報告を受けている。表1に勧告実施状況の要約を示す。

8. Article 4 of the Broadcast Act remains in force, with the regulation of broadcast media in line with the Act continuing to fall within the ambit of the Ministry of Internal Affairs and Communications. The tensions created by this regulatory framework, with its lack of institutional independence, have reportedly been accentuated by public pushback from government officials against the work of critical journalists, including through communications to a newspaper editorial board and a kisha club1 concerning questions posed by a journalist at government press conferences. To perform its role as a public watchdog, the press must be free to pursue its own lines of reporting and investigation. The State must refrain in all cases from stigmatizing journalists, regardless of whether the content of their work may be perceived as critical or sensitive. To create a positive environment for journalistic work, authorities at the highest level should publicly express support for the work of independent, investigative journalists.
8. 同法に基づく放送メディアの規制は引き続き総務省の所管事項であり、放送法第4条は、なおその効力を有する。制度的な独立性の欠如により、この規制の枠組みによって生じた緊張は、政府記者会見での記者の質問に対する新聞編集委員会やキシャクラブ *1 への連絡を通じてなど、批判的なジャーナリストの活動に対する政府高官からの公的な反発によって強化されたと伝えられている。公共の監視機関としての役割を果たすためには、報道機関は報告および調査の独自の道を追求するために自由でなければならない。締約国は、ジャーナリストの仕事の内容が批判的であるか微妙であるかと認められるかにかかわらず、いかなる場合においてもジャーナリストを非難することを慎まなければならない。ジャーナリズムの仕事のための肯定的な環境を作り出すために、最高レベルの当局は、独立した調査ジャーナリストの仕事に対する支持を公に表明すべきである。

9. The Special Rapporteur welcomes the information received regarding steps taken by civil society and journalist unions to foster solidarity among those within the profession. He encourages such efforts, in particular in the light of additional information received relating to reported decisions taken at the editorial level of a prominent Japanese newspaper, which appear to have restricted the scope for its reporters to work on sensitive topics.
9. 特別報告者は、職業内の人々のあいだの連帯を促進するために市民社会とジャーナリスト組合がとった措置に関して受けた情報を歓迎する。彼は、とくに著名な日本の新聞の社説レベルで行なわれた報告された決定に関連して受け取った追加情報に照らし、そのような取り組みを奨励する。

10. Editorial pressure on journalists working on controversial issues, including historical crimes committed by Japan and the use of “comfort women” in particular, has compounded the continuing resistance of the authorities to civil society’s advocacy efforts in connection with historical crimes. The Special Rapporteur reiterates his recommendation that the Government accept a visit of the Special Rapporteur on the promotion of truth, justice, reparation and guarantees of non-recurrence as a step towards building a positive framework for dealing with the issue.
10. 日本により犯された歴史上の犯罪や、とくに「慰安婦」の使用を含む、論争中の問題に取り組んでいるジャーナリストに対する編集上の圧力は、歴史的犯罪に関連した市民社会の主張活動に対する当局の継続的な抵抗をさらに悪化させている。特別報告者は、問題に対処するための前向きな枠組みを構築するための一歩として、同政府が真実、正義、賠償および再発防止の保証の促進に関する特別報告者の訪問を受け入れる勧告を表明した。

11. Authorities have continued to place pressure and undue restrictions on peaceful protesters in Okinawa. Specific concerns in this regard were raised in an official communication to the State from several special procedure mandate holders on 28 February 2017, concerning the arrest and charging of Hiroji Yamashiro in connection with his involvement in peaceful protests against the expansion of military bases in Okinawa. 2 Released on bail in March 2017, Mr. Yamashiro has since been convicted and sentenced to two years of imprisonment with hard labour, suspended for three years. His appeal to the Fukuoka High Court was recently rejected. In opinion No. 55/2018 (A/HRC/WGAD/2018/55), the Working Group on Arbitrary Detention declared Mr. Yamashiro’s detention to be arbitrary and directly connected to his exercise of freedom of expression and peaceful assembly. The Special Rapporteur expresses serious concern that Mr. Yamashiro’s suspended sentence not only restricts him in any further exercise of his rights, but risks proving a broader deterrent against the exercise of the right of freedom of assembly. The freedoms of assembly and expression are closely linked and often mutually reinforcing. The State must strengthen its commitment to fulfilling its human rights obligations in these areas.
11. 当局は、沖縄において平和的抗議者に対し圧力と過度の制限をかけ続けている。この点に関する具体的懸念は、沖縄における軍事基地の拡大に対する平和的抗議行動における彼の関与に関連する山城博治氏の逮捕および起訴に関する、2017年2月28日の数名の特別手続マンデート保持者からの締約国への公式連絡において提起された *2 。2017年3月に保釈された山城氏はその後有罪となり、懲役二年、執行猶予三年の判決を受けた。福岡高等裁判所への上告は最近棄却された。意見第55/2018号(A/HRC/WGAD/2018/55)において恣意的拘禁に関する作業部会は、山代氏の拘禁は恣意的であり、彼の表現の自由と平和的集会の自由の行使に直接関連すると宣言した。特別報告者は、山城氏の執行猶予判決は、彼の権利のさらなる行使を制限するだけでなく、集会の自由の権利の行使に対する広範な抑止力を証明する危険性があるという重大な懸念を表明する。集会と表現の自由は密接に結びついており、しばしば相互に補強しあう。締約国は、これらの分野における人権義務を果たすためのコミットメントを強化しなければならない。

12. The Government does not appear to have taken steps to address concerns raised regarding the Act on the Protection of Specially Designated Secrets. The Special Rapporteur reiterates the need to amend the Act and translate informal assurances that it will not be used to target journalists into legally binding safeguards.
12. 同政府は特定秘密保護法について提起された懸念に対処するための措置を講じているようには見えない。特別報告者は、同法を改正し、ジャーナリストを法的拘束力のある保障措置の対象とするために使用されることはないとの非公式な保証を翻訳する必要性を繰り返し表明する。

13. Cumulatively, continued pressure on freedom of expression restricts access to information and narrows the latitude for developing and sharing diverse political opinions. The rights to freedom of opinion and expression have a direct, multifaceted impact on the development of democracy, equality and societies in their entirety. The limitation or promotion of those rights dictates the nature of their impact. All of the recommendations made subsequent to the visit remain pertinent.
13. 表現の自由に対する累積的、継続的な圧力は、情報へのアクセスを制限し、多様な政治的意見を発展させ共有するための自由度を狭める。意見と表現の自由の権利は、民主主義、平等および社会全体の発展に直接的かつ多面的な影響を及ぼす。これらの権利の制限または促進は、それらの影響の性質を左右する。訪問後なされた勧告すべては適切なままである。

1 Associations of print and broadcast journalists (see A/HRC/55/22/Add.1, para. 34).
*1 出版放送ジャーナリスト協会(A/HRC/55/22/Add.1、パラ34参照)。

2 See communication JPN 1/2017, available at https://spcommreports.ohchr.org/Tmsearch/TMDocuments.
*2 連絡 JPN 1/2017 参照、https://spcommreports.ohchr.org/Tmsearch/TMDocuments で利用可能。

Table 1
Japan: status of implementation of recommendations
表1
日本:勧告履行状況

Recommendation
勧告

Status
状況

To the Government
政府に対し

Review the legal framework governing broadcast media, repeal article 4 of the Broadcast Act, develop the framework for an independent regulator of broadcast media (para. 65)
放送メディアを管理する法的枠組みを見直し、 放送法第4条を廃止、 放送メディアの独立した規制機関のための枠組みを開発すること(パラ65)

Not implemented.
不履行。

Refrain from interfering in the interpretation of historical events in educational materials and support efforts to inform the public on serious historical crimes (para. 69)
教材における歴史的出来事の解釈における妨害を控え、重大な歴史的犯罪に関して公共に知らしめる取り組みを支援すること(パラ69)

Not implemented. New school curriculum and textbook guidelines were approved in March 2018. Reportedly, the new standards require that diversified viewpoints, including the perspectives of the Government, be included in textbooks. Civil society advocacy in connection with historical crimes, in particular the issue of “comfort women”, has been met with strong opposition from the authorities.
不履行。2018年3月に新しい学校カリキュラムと教科書ガイドラインが承認された。伝えられるところによれば、新基準は政府の見解を含む多様な見解を教科書に含めることを要求している。歴史上の犯罪、とくに「慰安婦」の問題に関連した市民社会の主張は、当局からの強い反対にあっている。

Ensure full transparency in the elaboration of school curricula and reconsider how the Textbook Council could be insulated from government influence (para. 69)
学校カリキュラム作成において完全な透明性を確保し、教科書審議会が政府の影響からどのように隔離され得るかを再考すること(パラ69)

Partially implemented. The new school curriculum was published for public comment in February 2018, however, no changes have been made to the manner in which appointments are made to the Textbook Council.
部分的に履行。新しい学校カリキュラムが2018年2月にパブリックコメントのために公表されたが、教科書審議会に任命される方法に変更はなされていない。

Consider requesting a visit of the Special Rapporteur on the promotion of truth, justice, reparation and guarantees of non-recurrence (para. 70)
真実、正義、賠償、および再発防止の保証に関する特別報告者の訪問を要請することを検討すること(パラ70)

Not implemented.
不履行。

Repeal provisions in the Public Office Election Act that impose disproportionate restrictions on political campaigning (para. 71)
政治活動に過剰な制限を課す公職選挙法における規定を廃止すること(パラ71)

Not implemented.
不履行。

Make every effort to protect the right to peaceful assembly and protest, in particular in Okinawa (para. 72)
とくに沖縄において、平和的な集会および抗議の権利を保護するためにあらゆる取り組みを行なうこと(パラ72)

Not implemented. Disproportionate restrictions on the right continue.
不履行。権利に対する過度の制限が継続。

Include an exception in the Act on the Protection of Specially Designated Secrets to ensure that no individual is punished for disclosing information of public interest, acquired in good faith, that does not harm national security (paras. 74 and 75)
善意で取得した公益に関する情報であって、国の安全を害しないものを開示することにより処罰される者がいないようにするため、特定秘密保護法において特例を含めること(パラ74、75)

Not implemented.
不履行。

Take steps to create a bedrock of social and organizational norms that promote the reporting of information in the public interest (para. 76)
公益における情報の報告を促進するための社会的、組織的規範の基盤を構築するための措置を講じること(パラ76)

Insufficient information for an evaluation to be made.
評価を行なうための情報が不十分。

Establish oversight boards with experts to improve accountability in the enforcement of the Act on the Protection of Specially Designated Secrets (para. 77)
特定秘密保護法の施行における説明責任を向上させるために専門家との監視委員会を設置すること(パラ77)

Not implemented. Information received indicates that the powers of both the advisory council established by the Act and oversight committees in the Diet have proved insufficient to ensure effective oversight.
不履行。受け取った情報は、法律によって設置された審議会および国会における監視委員会の権限は、実効的な監視を確保するには不十分であることを示している。

Adopt a broadly applicable anti-discrimination law (para. 78) 
広範に適用される差別禁止法を採択すること(パラ78)

Not implemented. While Japan has adopted legislation to protect specific groups from discrimination, such as the Act on the Promotion of the Elimination of Buraku Discrimination, which entered into force in December 2016, it has not adopted a broad antidiscrimination law. This was highlighted during the universal periodic review process in 2017 and by the Committee on the Elimination of Racial Discrimination in 2018.
不履行。2016年12月に施行された部落差別撤廃促進法のように、特定の集団を差別から守るための法律を制定する一方、幅広い差別禁止法は採択されていない。これは、2017年における普遍的定期的審査プロセスのなかや2018年における人種差別撤廃委員会によって強調された。

Stipulate in any forthcoming legislation concerning surveillance that communications must only be surveilled under the most exceptional circumstances and exclusively under the supervision of an independent judicial authority (para. 81)
通信は、最も例外的な状況下において、かつ独立した司法当局の監督のもとでのみ監視されなければならないことを、監視に関するいかなる将来の法律においても規定すること(パラ81)

Not implemented. In 2017, amendments to the Act on Punishment of Organized Crimes and Control of Crime Proceeds were passed, expanding the scope of the Act and raising concerns that it may lead to more widespread surveillance, including of NGOs. These concerns have been rejected by the Government.
不履行。2017年において、法律の範囲が拡大され、NGOを含むより広範な監視につながる可能性があるという懸念が高まる、組織犯罪の処罰および犯罪収益の抑制に関する法律の改正が可決された。これらの懸念は政府によって拒否された。

To the authorities and media groups
当局およびメディア団体に対して

Publicly express their rejection of any form of threat or intimidation against journalists or other investigative reporters (para. 66)
ジャーナリストや他の調査記者に対するあらゆる形態の脅威または脅迫の拒絶を公に表明する(パラ66)。

Contravened. Information has been received reporting cases of officials putting pressure on and issuing public statements against critical media outlets.
違反。批判的な報道機関に対して圧力をかけ、公式声明を発表した当局者の事例を報告する情報が寄せられている。

To the media
メディアに対して

Remain vigilant against any form of direct or indirect pressure on editorial activities, in particular by guaranteeing full support for and protection to journalists reporting on controversial topics (para. 67)
とくに論争中のトピックに関して報道するジャーナリストへの全面的な支援と保護を保証することにより、編集活動に対する直接的または間接的ないかなる形態の圧力に対しても警戒し続けること(パラ67)。

Partially implemented. While statements of support have been issued by journalist associations in response to pressure on journalists, information received indicates that changes have also been made to editorial policy to limit reporting on sensitive issues.
部分的に履行。ジャーナリストへの圧力に応えてジャーナリスト協会によって支持の声明が出された一方、受け取った情報は、微妙な問題に関する報道を制限する編集方針にも変更がなされていることを示した。

To journalist associations
ジャーナリスト協会に対して

Broaden the membership of the current kisha club system to allow the participation of the widest possible range of journalists (para. 68)
できるだけ広い範囲のジャーナリストの参加を可能にするために、現在のキシャクラブ制度のメンバーシップを広げること(パラ68)

Not implemented.
不履行。


2019年07月09日
2019年07月10日(フォローアップ報告書ほか追記)
2019年09月14日(日本政府コメントへのリンク追加)

*1:追記:この日本政府「コメント」が41回セッションのサイト(英語)の 「政府からの連絡(Communications from Governments)」(英語)に掲載されていた: A/HRC/41/G/3(英語(PDF))。後ろにリンクを掲載した外務省ホームページの「「表現の自由」特別報告者の訪日(2016年4月12日~19日)」の方はとくに更新無し(「令和元年5月23日」版現在)。

*2:選択項目に「長い」「質問が主観的・決めうちである」「質問に事実誤認が多い」(苦笑)。対象は「申し入れ」のあった官邸記者クラブ所属記者ということだが回答は33人、「官邸の主張に納得できる」はゼロとはいえ回答すること自体、回答者の傾向を示しているということはあるかも。

*3:中国政府を欺く方便だとすれば凄いが、中国訪問は行なわれていないようである。

*4:沖縄タイムス(2016年3月7日)- 阿部浩己神奈川大教授と阿部藹氏が「国連の人権機関の活用などについて発表」。「同研究会事務局の」阿部藹氏は、IMADR のスタッフのようである。

*5:かくにんできたのは A/HRC/41/NGO/179 “Republic of Korea's Supreme Court rulings are gross Human Rights violation Mobilized workers were wartime laborers from the Korean Peninsula” と A/HRC/41/NGO/183 “Okinawan people are not indigenous but Japanese nationals” 、国連人権弁務官事務所の人権理事会サイト(英語)「NGO 書面声明(NGO written statements)」では A/HRC/41/NGO/183 のみ。