文書番号:HRC/19/26E
ノート:
- 中国:「すべての国々に対して、彼らのマイノリティ・グループの権利と彼らの自身の言語を使用する権利を完全に保護するよう要請」した。
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ちょうど一年前のセッション会合同様、慰安婦問題は「二国間問題ではない」と強調して、国際人権活動日本委員会から前田朗教授が登場。
上掲でも触れたように文政権になってから韓国もこの論法なのだが、これは前田教授らが吹き込んだという訳でもないとはおもうのだが…(?)。
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国際キャリア支援協会より藤木俊一氏が、いわゆる徴用工問題をとり上げ、「理事会に対し、常軌を逸した[errant]外交関係を是正するように韓国に指示[instruct]」を要請。1965年日韓協定に言及しているが、その部分は採録されていない。
ことに本要約では、この理事会マターになるのか?だが、下記の提出声明(全4ページ、会合での1分半余りの発言時間ではすべてに言及できない)によれば、
歴史的事実の明らかな歪みである「日本の違法な植民地統治」という韓国最高裁の主張が正当化されるならば、朝鮮半島の日本統治時代における日本人の行動はすべて訴訟の対象とな[…り、]韓国裁判所の判決は ICERD[人種差別撤廃条約]違反
最近の訴訟の判決では、韓国最高裁は、日本の裁判所が韓国の裁判所の評決を受け入れるよう要求し、日本の最高裁の判決は「韓国の公序良俗、その他社会秩序に反する」と判決を下し、それを棄却した。この判決は日本の最高司法機関である最高裁の権威を傷つけ、同時に日本の主権と日本人の人権を侵害
韓国政府とその司法当局は日本に関して国際法を適用しないため、日本の主権と日本人の人権を侵害
etc. であると。
とはいえ人権侵害うんぬんより、ここではこうした内容を国連の場で(無策な外務省に代わって)各国外交官に訴えるねらいか(提出文書では言及されておらず本要約からも落とされたが、会合での発言では慰安婦問題の蒸し返しについても合わせて提起している)。提出文書では朝鮮半島からの労働者の状況や、1965年日韓協定の内容、その際日本政府が個人補償を申し出たが韓国政府が「拒否」して引き取った経緯などにも言及。発言時間は限られており、この会合での99発言中の1発言でもある。このドキュメントまでたどり着くのも一般には容易ではない。外務省は直ちにこうした文書を各国語でウェブサイトに公開すべきだろう(以上 UN Web TV リンク先参照)。
国連公式文書システム(英語):
A/HRC/40/NGO/76「韓国はすでに解決され、国際法を無視する問題を復活させるべきではない」(2019年2月20日)藤木氏は13日に北朝鮮への反論も行なう(下記)。 - 創価学会インタナショナルが、反差別国際運動など含む 17 NGO を代表して発言。
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午前のパキスタンの発言(関連エントリ 2019-03-08 参照)を受け、ここでもインド/パキスタンが二度目の答弁権を行使して非難合戦となった(未抽出)。
- ( UN Web TV の映像より)
チャプター06:中国/タイ・トーマン(Dai Deman)政府代表
チャプター38:創価学会インタナショナル(共同声明)/エリザ・ガゾッティ(Elisa Gazzoti)氏
チャプター68:国際人権活動日本委員会/前田朗氏(東京造形大学教授)
チャプター75:国際キャリア支援協会/藤木俊一氏 -
関連エントリ
HUMAN RIGHTS COUNCIL CONTINUES THE GENERAL DEBATE ON THE PROMOTION AND PROTECTION OF ALL HUMAN RIGHTS
人権理事会、すべての人権の促進および保護に関する一般討論を継続
Hears Address by the Minister for Foreign Affairs of the Marshall Islands
マーシャル諸島外務大臣による演説を聞く
8 March 2019
2019年3月8日
The Human Rights Council this afternoon continued its general debate on the promotion and protection of all human rights, civil, political, economic, social and cultural rights, including the right to development. At the beginning of the meeting, the Council heard an address by John M. Silk, Minister for Foreign Affairs of the Marshall Islands.
人権理事会は、この午後、開発権を含む、すべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の促進と保護に関する一般討論を継続した。会合の初めに、理事会はジョン・M・シルク・マーシャル諸島外務大臣による演説を聞いた。
[…]
The Council will meet next on Monday, 11 March, at 9 a.m. to conclude the general debate on the promotion and protection of all human rights, civil, political, economic, social and cultural rights, including the right to development. It will then hold separate interactive dialogues with the Special Rapporteur on the situation of human rights in Myanmar, the Special Rapporteur on the situation of human rights in the Democratic People’s Republic of Korea, and the Special Rapporteur on the situation of human rights in Iran.
理事会は、次に、開発権を含むすべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の促進と保護に関する一般討論を終結するために3月11日月曜日午前9時に会合を行なう。その後、ミャンマーにおける人権状況に関する特別報告者、北朝鮮の人権状況に関する特別報告者、およびイランにおける人権状況に関する特別報告者と個別に双方向対話を開催する。
[…]
General Debate on the Promotion and Protection of All Human Rights, Civil, Political, Economic, Social and Cultural Rights, including the Right to Development
開発権を含むすべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の促進と保護に関する一般討論
[…]
China noted that each country should choose its own path to develop human rights, in line with the actual situation and people’s needs, and on the basis of the United Nations Charter and the Universal Declaration of Human Rights. China supported the Russian Federation’s earlier statement on languages, noting that it attached high importance to the protection of languages and alphabets, and to the bilingual education of minority groups. It called on all countries to fully protect the rights of their minority groups and their right to use their own languages.
中国は、実際の状況や人々のニーズに沿って、そして国連憲章や世界人権宣言に基づき、各国が人権開発のための独自の道を選択すべきであると指摘した。中国は、言語とアルファベットの保護とマイノリティ・グループのバイリンガル教育を重視していると指摘して、ロシア連邦の言語に関する以前の声明を支持した。すべての国々に対して、彼らのマイノリティ・グループの権利と彼らの自身の言語を使用する権利を完全に保護するよう要請した。
[…]
Soka Gakkai International, in a joint statement with several NGOs 1, emphasized the importance of the implementation of education methodologies to measure the impact of human rights, and said they should be further developed. Adequate policies to train educators with skills and knowledge for human rights should also be a priority. In addition, young people’s voices should adequately be respected to ensure an inclusive plan of action for non-government organizations working to improve human rights globally.
創価学会インタナショナル *1 は、いくつかのNGOとの共同声明において、人権の影響を測定するための教育方法論の実施の重要性を強調し、それらをさらに発展させるべきであると強調した。人権についての技能と知識を有する教育者を訓練するための適切な方針もまた優先されるべきである。加えて、グローバルに人権を改善するために活動している非政府組織のための包括的な行動計画を確実にするために、若者の声が十分に尊重されなけれなならない。
[…]
The Japanese Workers’ Committee for Human Rights referred to the cases of Ms. Kim Harumoni and Ms. Kwak Harumoni, who had recently died without having been given an apology by the Government of Japan for the sexual slavery crimes committed by the Japanese military during the Second World War. Victims must have the right to truth and compensation. The sexual slavery crimes committed by the Japanese army had affected the entire Asia Pacific region, and under international law Japan remained responsible for providing remedy to all survivors.
国際人権活動日本委員会は、第二次世界大戦中、日本軍によって犯された性的奴隷制度の犯罪への日本政府による謝罪を与えられることなく最近死去した、キム・ハルモニ[金福童]氏とクァク・ハルモニ[クァク・イェナム]氏の事件に言及した。被害者は真実と補償に対する権利がなければならない。日本軍によって犯された性的奴隷制度の犯罪はアジア太平洋地域全体に影響を及ぼし、国際法のもと、日本はすべての生存者に対し救済策を提供する責任が残っていた。
[…]
International Career Support Association addressed the Republic of Korea’s Supreme Court ruling that called on Japanese companies to pay compensation to individual Koreans for having been forced into labour during the Second World War. The Association stated that many Koreans had in fact worked voluntarily during that period, or had been wartime labourers. It called on the Council to instruct the Republic of Korea to correct their errant diplomatic relations.
国際キャリア支援協会は、第二次世界大戦中に強制労働を強いられたとして、日本企業に対し韓国人個人に補償金を支払うよう求めた韓国の最高裁判決を取り上げた。同協会は、多くの韓国人は実際にはその期間中、自発的に働いた、または戦時労働者だったと表明した。理事会に対し、常軌を逸した外交関係を是正するように韓国に指示するよう要請した。
[…]
1 Joint statement on behalf of: Soka Gakkai International, International Catholic Child Bureau, Teresian Association, International Organization for the Elimination of All Forms of Racial Discrimination, International Movement against all Forms of Discrimination and Racism (IMADR), Globethics.net Foundation, UPR Info, ONG Hope International, The Planetary Association for Clean Energy, Inc., Foundation for GAIA, Refugee Council of Australia, Institute for Development and Human Rights - IDHR, International Organization for the Right to Education and Freedom of Education (OIDEL), Graduate Women International (GWI), International Council of Jewish Women, Associazione Comunita Papa Giovanni XXIII, and Organisation pour la Communication en Afrique et de Promotion de la Coopération Économique Internationale - OCAPROCE Internationale.
*1 共同声明:創価学会インタナショナル、国際カトリック児童事務局、テレジア派協会、あらゆる形態の人種差別撤廃国際機構、反差別国際運動(IMADR)、グローブシックスネット・ファウンデーション、UPRインフォ、ONGホープ・インターナショナル、クリーンエネルギー惑星協会、ガイア財団、オーストラリア難民評議会、開発人権研究所 - IDHR、国際教育の権利・教育の自由機構(OIDEL)、大卒女性インターナショナル(GWI)、国際ユダヤ女性評議会、教皇ヨハネ二十三世コミュニティ協会、およびアフリカ・コミュニケーション機構と国際経済協力促進 - OCAPROCEインターナショナル。
2019年3月10日