dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第43回人権理事会:アルビノ患者の権利に関する対話を開催し、食料への権利に関する対話を開始/児童の売買と性的搾取に関する特別報告者との双方向対話を終結/宗教または信仰の自由に関する対話(答弁権)


文書番号:HRC20.018E

ノート:

  • 児童の売買と性的搾取に関する特別報告者との双方向対話で北京青少年法律扶助研究センター[北京青少年法律援助与研究中心]が発言。
  • イロ・アルビノ患者による権利の享受に関する独立専門家との双方向対話。昨年の第三委員会報告(A/74/190)で、地毛が茶髪の生徒に対する校則問題をまるっとアルビノ差別として扱うのはどうなのか的に取り上げたのだが、

    今回の報告(A/HRC/43/42)では修正されて(?)いじめにウェイトが移り、いじめへの対処における「学校当局から」の「指示」についての指摘となっているようだ(パラグラフ32)。なお(コロンビアと)日本からの報告では、「アルビノの子どもたちは障害者として認められていないため、約60パーセントの子どもたちが政府から障害者証明書を取得していない(as children with albinism are not recognized as being disabled, approximately 60 per cent of them fail to obtain a disability certificate from the Government)」としている(パラグラフ40)。

    IV. 交差および多重差別

    […]

    B. 人権の享受に対する障壁

    1. 烙印[Stigma]と社会的排除

    […]

    32. いじめ事件は学校環境に限ったことではない *22 。一部地域においては、アルビノの子どもたちは社会のさまざまな領域でいじめられている。日本のある非政府組織は、おもにアルビノの子どもの髪の色のために、いじめが一部現地の学校において依然として顕著であると表明した。いじめを終わらせるための学校当局からの効果的な対応がないため、多くの親が子どもの髪の色を黒に変え、同級生や学校当局に受け入れられている。場合によっては子どもたちは学校当局から髪を黒く染めるよう指示されている。

    […]

    *22. アルゼンチン、コロンビア、ハイチおよびベネズエラボリバル共和国)からの提出。

    […]

    2. 教育へのアクセス

    37. アルビノの子どもたちは一般に、他の子ども同様に教育へのアクセスが保証されているが、学校において十分な支援の提供を確保するには大きな課題がある *30 。教師は通常、アルビノの子どもたちへの妥当な宿泊施設や一般的な支援的学習環境を提供する方法について十分な知識を持っていない *31 。場合によっては、教師は、アルビノに伴うあらゆる範囲とは対照的に、視覚障害のある子どもだけを支援するよう訓練されている *32

    […]

    40. 他の報告では、子どもたちが一定の基準を満たしている場合にのみ政府の支援が利用可能であることが指摘された。例えば、日本からの提出によれば、アルビノの子どもたちは障害者として認められていないため、さもなければ必要なサービスやリソースへのアクセスが促進されるであろう約60パーセントの子どもたちが政府から障害者証明書を取得していないことを示している *38 。場合によっては、アルビノの子どもたちへの支援器具の提供は考慮されず、優先もされない。これは、障害者のための合理的配慮のための法律の規定が存在するにもかかわらずである *39 。ヨーロッパからの提出物には、いくつかの称賛に値する措置が記載されている。アルビノの子どもたちは一般に、大きな活字の本や特殊な眼鏡などの適応器具をほかよりも容易に利用できる。しかしながら、これは教育システム全体で常に保証されているわけではない。ノルウェーにおいてアルビニズムに取り組んでいるある組織は、補助器具は一般に幼児教育全体で利用できるが、高等教育においては必ずしもそうではないと指摘している

    […]

    *30. 日本からの提出。
    *31. コロンビアおよび日本からの提出。
    […]
    *38. コロンビアおよび日本からの提出。
    *39. タンザニア連合共和国からの提出。

    42. オーストラリアと日本におけるアルビノの子どもたちの就学率はほぼ100パーセントであるが、ラテンアメリカの一部地域においては中退率が非常に高いと報告されており、とくに貧しい家庭のアルビノの子どもたちが、家族を支えるために仕事を求めて学校を去っている *42 。中退率はブルキナファソにおいても高く、アルビノの女児の30パーセントが小学校を卒業していない *43ブルンジにおいては、アルビノの人々の56パーセントが学校教育を修了しておらず、アルビノの女児の20パーセントが小学校を修了していない *44ザンビアのある市民社会団体は、アルビノの子どもたち3,000人のうち小学校を卒業するのは3人だけだと推定している。

    […]

    *42. コロンビアからの提出。
    *43. ブルキナファソからの提出。
    *44. ブルンジからの提出。

    […]

    3. 医療へのアクセス

    48. アルビノの子どもたちがいる世界中の多くの母親は、この病気に関する情報を持つ専門家にめったにアクセスできない。そのため、子どもの発達に不可欠な早期の医療介入を受けることはめったにない *55 。したがって、乳幼児の母親は、視力障害に関する情報や皮膚がんから守るための対策など、アルビノの子どもの世話の方法に関する必要な情報を持っていないことが多い *56 。これは、容易に予防できた皮膚癌の発症につながる可能性がある。さらに、アルビノに関する適切な健康情報の欠如は、アルビノの子どもたちの母親のあいだで悩み、抑うつおよび自己非難にもつながっている。報じられたところでは、母親はアルビノの子どもを出産した後、産後うつ病に苦しんでおり、子どものために利用できるサービスや必要な心理社会的ケアおよび支援に対する権利について十分に知らされていない *57

    […]

    4. 性と生殖に関する健康

    51. いくつかの国々における市民社会組織は、アルビノの女性と女児が性と生殖に関する医療サービスへのアクセスを制限、またはまったく利用できないと報告した。提供された理由には、烙印と医療提供者からの差別が含まれる *61 。

    […]

    *55. アンゴラブルキナファソ、ガーナ、日本ケニアモザンビークウガンダおよびジンバブエからの提出。
    *56. エスティーニ、ケニアモザンビーク、ナイジェリア、ソマリアおよびタンザニア連合共和国からの提出。
    *57. エスワティニからの提出。
    […]
    *61. ガーナ、ケニア日本、ヨルダン、マリ、スロベニア(政府)、ウガンダおよびタンザニア連合共和国からの提出。

    […]

    6. 適切な生活水準へのアクセス

    60. とくにアフリカ、アジアおよびラテンアメリカの一部においてアルビノの人の権利に取り組んでいる組織のあいだでは、アルビノにより影響を受けた多くの女性と子どもたちが極度の貧困のなかで暮らしているという一般的コンセンサスがある *72 。これは、障害と貧困のあいだの一般的な相関関係を反映している *73 。また、シングルマザーであることや、女性が汚名を着せられ、孤立し、排斥されている状況とも関連している *74 。さらに、学校を早期に中退すると、しばしば経済的機会が制限される。

    […]

    *72. アフリカならびにコロンビアおよびエクアドルからの提出。サムダニとコソ、「パキスタン、シンドの農村におけるバティ族のユニークなアルビノ村」も参照。
    *73. ジェラルド・クインおよびテレジア・ディゲナー、「人権と障害:障害との関連における国連人権文書の現在の利用と将来の可能性」(ジュネーブ、OHCHR、2002)。A/73/181も参照。
    *74. 日本からの提出。

    日本からの報告提出(および公開許諾)は今回も日本アルビニズムネットワーク、アジア地域からは同組織のみ。政府が「アンケートへの回答」を行なったのは南米などの六か国のみ(日本は含まず)。各国における基本的統計データは欲しいところ(以上下記リンク先参照)。

    「 OHCHR | 世界的なアルビニズムに関する報告書へのインプットとしてなされた提出物」(英語

  • 同上で日本が発言。報告書の日本への言及にはとくにコメントはしていないようだ。中国、ならびに中国国際交流協会、午前の会合に続き中国人権研究会(CSHRS)が発言。

  • 食料への権利に関する特別報告者との双方向対話で中国が発言。

  • 中国が答弁権を行使し、午前の宗教の自由会合での「いくつかの NGO」によるウイグル問題への言及に反論。

  • ( UN Web TV )

    チャプター11:日本/前平知慶政府代表 ※ Mr. Tomoyoshi Maheira とある(姓名表記順も従来方式)。
    チャプター20:中国/ヘ・シューアイ(He Shuai)政府代表
    チャプター28:中国国際交流協会リュウ・ジェンジャン(Liu Zhenjang)氏
    チャプター30:中国人権研究会(CSHRS)/ルウ・ジャン(Lu Zhang)氏

  • 関連エントリ

  • 掲載URL:

    https://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/94638EE8F7835645C1258520006511D2?OpenDocument


HUMAN RIGHTS COUNCIL HOLDS DIALOGUE ON THE RIGHTS OF PERSONS WITH ALBINISM AND BEGINS DIALOGUE ON THE RIGHT TO FOOD
人権理事会、アルビノ患者の権利に関する対話を開催し、食料への権利に関する対話を開始

Concludes Interactive Dialogue with the Special Rapporteur on the Sale and Sexual Exploitation of Children
児童の売買と性的搾取に関する特別報告者との双方向対話を終結

3 March 2020
2020年3月3日

The Human Rights Council this afternoon held an interactive dialogue with the Independent Expert on the enjoyment of human rights by persons with albinism, Ikponwosa Ero, and began an interactive dialogue with the Special Rapporteur on the right to food, Hilal Elver.
この午後の人権理事会は、アルビノ患者による権利の享受に関する独立専門家、イクポンウォサ・イロとの双方向対話を行ない、食料への権利に関する特別報告者、ヒラル・エルヴェルとの双方向対話を開始した。

Presenting her thematic report on women and children impacted by albinism, Ms. Ero[…]
イロ氏はアルビノによる影響を受けた女性および児童に関する彼女のテーマ別報告を発表して[…]

[…]

Speaking in the dialogue on the human rights of persons with albinism were : European Union, Burkina Faso (on behalf of the African Group), UN Women, United Nations Children’s Fund, Brazil, Djibouti, Togo, Burkina Faso, Japan, Lesotho, Malaysia, Namibia, Portugal, Egypt, Venezuela, Cameroon, China, Nigeria, Tanzania and Somalia.

Also taking the floor were the following non-governmental organizations : Standing Voice, Rencontre Africaine pour la Défense des Droits de l'Homme, Amnesty International, World Barua Organization, Chinese Association for International Understanding, Association pour l'Intégration et le Développement Durable au Burundi, China Society for Human Rights Studies, and World Jewish Congress.

The Council also began an interactive dialogue with the Special Rapporteur on the right to food, Hilal Elver.
理事会はまた、食料への権利に関する特別報告者、ヒラル・エルヴェルとの双方向対話を開始した。

[…]

Speaking on the right to food were : European Union, Organization of Islamic Cooperation, Cuba, State of Palestine, Holy See, Algeria, Burkina Faso, Djibouti, Iraq, Philippines, India, Pakistan, Malaysia, Ecuador, El Salvador, Sudan, Egypt, Myanmar, Turkey, Venezuela, Food and Agriculture Organization of the United Nations, Libya, Indonesia, Cameroon, United Nations Children’s Fund, and China.

[…]

At the beginning of the meeting, the Council concluded its interactive dialogue with Maud De Boer-Buquicchio, the Special Rapporteur on the sale and sexual exploitation of children.
会合始めに、理事会は、児童の売買と性的搾取に関する特別報告者、マオド・ド・ブーア=ブキッキオとの双方向対話を終結した。

[…]

Also taking the floor were the following non-governmental organizations : Caritas Internationalis, Congregation of Our Lady of Charity of the Good Shepherd, Edmund Rice International, Defence for Children International (in a joint statement with Plan International, Inc.and Terre Des Hommes Federation Internationale), Associazione Comunità Papa Giovanni XXIII, Beijing Children’s Aid and Research Center, Association Ma’onah for Human Rights and Immigration, World Organisation against Torture, International Organization for the Elimination of All Forms of Racial Discrimination, Global Welfare Association.

[…]

China, Armenia and Zimbabwe spoke in right of reply.
中国アルメニアおよびジンバブエが答弁権により発言した。

[…]

The Council will meet again on Wednesday, 4 March, at 10 a.m. to conclude its interactive dialogue with the Special Rapporteur on the right to food, and to hold separate interactive dialogues with the Special Rapporteur in the field of cultural rights and the Special Rapporteur on human rights defenders.
理事会は、食料への権利に関する特別報告者との双方向対話を終結し、文化的権利の分野における特別報告者および人権擁護者に関する特別報告者との双方向対話を開催するために、3月4日水曜午前10時に再び会合を行なう。

[…]

Interactive Dialogue with the Independent Expert on the Enjoyment of Human Rights by Persons with Albinism
アルビノ患者による人権の享受に関する独立専門家との双方向対話

Documentation
ドキュメンテーション

The Council has before it the Report of the Independent Expert on the enjoyment of human rights by persons with albinism on women and children impacted by albinism (A/HRC/43/42).
理事会にはその前に、アルビニズムにより影響を受けた女性と児童に関するアルビノ患者による人権の享受に関する独立専門家の報告書(A/HRC/43/42)がある。

[…]


2020年3月8日