dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第42回人権理事会:(40 - 42回会合)23決議を採択、諮問委員選挙を行ない、第四十二回セッションを閉会


文書番号:——

ノート:

  • 前日決議採択続き。結果および提出国、草案リンク先は UN Web TV 、共同スポンサーは草案による。全決議は下記掲載「OHCHR | セッション42 人権理事会42回セッション:決議、決定、議長声明」リンク先参照。[追記]各国の投票先については下記掲載 A/74/53/Add.1 「人権理事会報告書 42回セッション(2019年9月9日 - 27日)」リンク先参照。

  • 決議採択終了後、諮問委員選挙と今セッションの(仮)報告書の採択を行ないセッション終了した。

  • 支持27、反対7、棄権13の投票で採択された、ベネズエラ(チリ、コロンビア、エクアドルホンジュラス、ペルー除く NAM 代表)提出の「開発権」L.36 で中国が支持声明。

  • 支持26、反対14、棄権6の投票で採択された、ベルギー、ベナンコスタリカ、フランス、メキシコ、モンゴル、モルドバ、スイス提出の「死刑問題」L.37 で日本が棄権声明、中国が反対声明。修正案 L.39 、L40 、L.41 および L.46 が提出されたがいずれも否決。

  • 支持23、反対11、棄権13の投票で採択された、フィンランドEU 代表)提出の「ブルンジにおける人権状況」L.10/Rev.1 で中国が反対声明。

  • 支持22、反対12、棄権11の投票で採択された、ベルギー、カナダ、アイルランドルクセンブルク、オランダ提出の「シリア・アラブ共和国における人権状況」L.22 で中国が反対声明。

  • 支持36、反対0、棄権11の投票で採択された、フィジー、ガーナ、ハンガリーアイルランドウルグアイ提出の「人権分野における国連、その代表者およびメカニズムとの協力(「報復」)」L.33/Rev.1 で日本が共同スポンサー *1 、中国が反対発言および投票要請を行なったが、投票直前に再度声明を行ない棄権に転じた(これにより投票結果は反対ゼロ)。修正案 L.43 、L.44 、L.45 が提出されたがいずれも否決。

  • コンセンサスで採択された、日本提出の「カンボジアへの助言サービスと技術支援」L.35/Rev.1 で日本が単独スポンサー、提出声明。

  • 人権理事会諮問委員会選挙

    委員は18名・任期三年(連続二期再選可)。日本から中井伊都子甲南大学副学長、中国から劉新生[リュウ・シンシェン/Xinsheng Liu]氏(外交官、元駐キプロス大使/再選)が当選した。今回アジア枠からは五席(インド、サウジアラビア、韓国:ソー・チャンロク[Changrok Soh]高麗大学教授、中国:リュウ・シンシェン氏、日本:小畑郁名古屋大学教授)のうち中国、日本からの二席が改選となり、中国、イラン、日本の三か国から候補者が立ったため投票となっていた。

    「 OHCHR | 査問員会メンバー」

     A/HRC/42/64「人権理事会諮問委員会のメンバーの選挙」(2019年8月14日)

    A/HRC/42/64/Add.1「人権理事会諮問委員会のメンバーの選挙」(2019年8月26日)

    結果は中井氏:40票、劉氏39票、ナスリン・モサファ[Nasrin Mosaffa]氏(イラン)9票。中国からの諮問委員候補が理事国47か国から39票集めてしまうのが(代わりはイランからの候補しかいないが)人権理事会である。しかも劉氏は政府の役人(「民間人」であっても同じではあろうが)。上掲 A/HRC/42/64 に「候補者提出に関する技術的・客観的要件」としてこうある(パラグラフ3)。

    (a)人権の分野で認められた能力と経験。

    (b)高い道徳的地位。

    (c)独立性と公平性。

    中井教授は、内閣官房の第三国定住に関する有識者会議や大阪府人権施策推進審議会の委員などのほか、ヒューライツ大阪(アジア・太平洋人権情報センター)の評議員を赤井隆史氏(部落解放同盟大阪府連合会執行委員長)らとともに務めている *2

  • (外務省声明)

    声明掲載なし。

  • (国連人権弁務官事務所ホームページ)

    「OHCHR | セッション42 人権理事会42回セッション:決議、決定、議長声明」(英語

  • [追記](国連総会ホームページ(英語))

    「74回セッション - ドキュメント - 社会、人道および文化問題(第三委員会)- 国連総会」(英語

    • A/74/53/Add.1「人権理事会報告書 42回セッション(2019年9月9日 - 27日)」(PDF(英語))

  • UN Web TV

    A/HRC/42/L.36 投票項目3 - 42回人権理事会定例セッション、40回会合A/HRC/42/L.37 投票項目3 - 42回人権理事会定例セッション、40回会合

    チャプター34:岡庭健在ジュネーブ政府代表部大使
    チャプター36:中国/ジャン・ドゥアン(Jiang Duan)在ジュネーブ政府代表部公使参事官 ※ Mr. Jiang Dun と記載。

    A/HRC/42/L.10/Rev.1 投票項目4 - 42回人権理事会定例セッション、41回会合

    A/HRC/42/L.22 投票項目4 - 42回人権理事会定例セッション、41回会合

    A/HRC/42/L.33/Rev.1 投票項目5 - 42回人権理事会定例セッション、41回会合

    A/HRC/42/L.35/Rev.1 投票項目10 - 42回人権理事会定例セッション、42回会合

    チャプター1:岡庭健在ジュネーブ政府代表部大使

    決定と結語(閉会)- 42回人権理事会定例セッション、42回会合

  • 関連エントリ

掲載URL:——


2019年10月1日

*1:アルバニア*、アルゼンチン、アルメニア*、オーストラリア、オーストリア、ベルギー*、ブルガリア、カナダ*、チリ、クロアチアキプロス*、チェコデンマークエルサルバドル*、エストニア*、フィジーフィンランド*、フランス、ジョージア、ドイツ、ガーナ、ギリシャハンガリーアイスランドアイルランド、イタリア、日本、ラトビア*、リヒテンシュタイン*、リトアニア*、ルクセンブルク*、マルタ*、メキシコ、モナコ*、モンテネグロ*、オランダ*、ニュージーランド*、北マケドニア*、ノルウェー*、ペルー、ポーランド*、ポルトガル*、モルドバ共和国*、ルーマニア*、サンマリノ*、スロバキアスロベニア*、スペイン、スウェーデン*、スイス*、トルコ*、ウクライナ、イギリス、ウルグアイ

*2:上掲 A/HRC/42/64 p. 31 も参照。

「第三国定住に関する有識者会議 構成員」(内閣官房

※ ヒューライツ大阪の顧問・前会長は武者小路公秀大阪経済法科大学教授、顧問に北口末廣近畿大学教授。