dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第15回強制失踪委員会:強制失踪に関する委員会、日本の報告を審査(拉致問題および慰安婦問題への言及)


文書番号:CED18.08E

ノート:

  • これまでの他の人権諸条約に基づく審査を見れば明らかなように,締約国は,第2回審査以降第1回審査で述べたことと同様の報告を行う傾向にあることから,本第1回審査はとりわけ重要なものとなる。したがって,念入りに審査していただきたい。

    ——「強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約第29条第1項に基づく第1回日本審査に関する日弁連報告書」(はじめに)
  • 会合は11月5日 15:00 - 18:00 、6日 10:00 - 13:00 ジュネーブ国連欧州本部パレ・ウィルソン第1会議室で行なわれた。移民センターなども含む当局によるあらゆる拘留措置は強制失踪に抵触する可能性があるということで大変である。中国は批准しないでしょうね。国連ジュネーブ事務所ホームページ「プレスリリース」(英語)の会議要約より抽出。UN Web TV で日本語通訳音声による「原語」版が公開されているので詳細はそちらを参照されたい *1(後日より詳細な「要約記録」も発行される)。発言委員については UN Web TV を参照して一部訳文[]内に追記した。

  • NGO 報告)

    記念すべき(?)第一回対日審査を迎えたところで「市民社会組織からの情報」はわずか(?)三本の提出で、そのうちの二本は挺対協と女たちの戦争と平和資料館(wam)なのである(苦笑)*2 *3 。残る一本は日弁連だが、こちらも第1章で慰安婦問題について提起、つつがなく委員会の課題リスト(LOI)にも提起され *4 、会合で審査の運びとなった。最終見解でも何らかの勧告が出される状況だろう。こちらはいつもながら詳細な(博物館だけある)、wam の報告から勧告奨励( p. 9 )*5  。いちおう「失踪」にフォーカスしている。

     失踪したままの者に対してとくに重点を置いて日本の軍事性的奴隷制度システムへの事実調査研究を実施し、また犠牲者/生存者の真実と賠償の権利を確保するよう締約国に強く促すこと。

    同じく挺対協( p. 14 )*6  。合弁して「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」となった筈だが、従来どおり「日本による軍事性的奴隷制度に徴用された女性のための韓国協議会」で提出。「徴用された」が入る方が名前だけで効果的(?)か(国連への協議資格登録手続き等もどうなっているのか知らんが)。

    (a)締約国は、「慰安婦」制度に関するその所有物における本格的な調査を実施し、文書および資料を完全に開示すべきである。

    (b)締約国は、第二次世界大戦終結後に「慰安婦」被害者それぞれが置かれた状況を完全に開示すべきである。

    (c)締約国は、 委員会が、これらの女性の人権侵害におけるその役割について責任を受け入れ、すべての国籍の「慰安婦」を含む、犠牲者中心のアプローチによる慰安婦問題への永続的な解決策を確保することを勧告する、人種差別撤廃委員会の総括所見を受け入れるべきである。

    (d)締約国は、公人および指導者が、被害者を再び傷つける効果がある、責任に関する誹謗発言を控えることを確実にするべきである。

    同じく日弁連(日本語版 p. 5 - 6 )。

    (1) 締約国は,公的な職にある者や指導的立場にある者が,「慰安婦」に対して行われた侵害に対する締約国の責任に関して軽率な発言をやめることを,確実にすべきである。

    (2) 2015年12月の日韓合意の発表に対し,女性差別撤廃委員会が「被害者中心のアプローチを十分に取らなかったこと」を遺憾とし,「被害者の救済への権利を認め,補償,満足,公的謝罪,リハビリテーションのための措置を含む十分かつ効果的な救済及び賠償を提供すること」と勧告した総括所見を謙虚に受け止め,締約国は,被害者の思いに配慮しながら,誠実にこの問題に取り組むべきである。

    なお、日弁連は2章で拉致問題も取り上げている。

    日本政府は,[…]北朝鮮による拉致が疑われる日本人がその他にも多数存在している点について明確には言及していない。[…]警察庁では「北朝鮮による拉致の可能生を排除できない行方不明者883人」としている。

    との指摘も行なっているのだが(日本語版 p. 3 )、ほかは何やらこの問題に関する日弁連の活動報告のような内容である。この章では委員会が勧告すべき内容も(対北ではなく対日審査であるが)提示していない。

    第1回日本審査に関する日弁連報告書(日本語(PDF))-「強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約第29条第1項に基づく第1回日本審査に関する日弁連報告書」ざっくり眺めただけだが例によって英語版で59ページの大作、しかしこれは「強制失踪」の委員会への報告なのだろうかという。

  • (委員発言)

    会合二日目、「委員会専門家によるフォローアップ質問」で慰安婦に関する質問が多く出された。以下 UN Web TV で補足。最初のコラコヴィッチ=ボヨヴィッチ日本担当委員(主査)(セルビア)の質問で後のもの(条約第二十五条(強制失踪の対象となった、あるいは親が対象となった子どもに関する規定)関連か)には回答がないようであるが、日本政府としては批准前かつ「強制失踪」*7 として認められないことを、このあと再び強調している。また、「ある専門家(ガルヴィス・パティーノ副委員長(コロンビア)とおもわれる)」が「政治的決定から生じる賠償手続き」について北朝鮮を例に質問しているのが採録されているが、実際の発言では最初に北に触れただけで慰安婦問題についての話になっているようである。

    「別の専門家(同じくフーレ副委員長)」の「真実に対する権利」についての質問では、「非常に微妙な問題」としつつも、(「歴史に向き合うドイツ」人らしい見方(?)で)日本政府は「額面どおりに受け止めると被害者・生存者の証言は虚偽であると、真実ではないと仰っている」「ユネスコの世界記憶遺産の登録に強力に反対した」等述べている *8 。次の慰安婦問題を提起した人への「身体的攻撃」というのは当方では「報告」に見当たらないように思えるのだが、初日午前に行なわれた NGO ブリーフィング(非公開)*9 あたりで出たのか。ここでの質問(未採録)は条約二十四条7項の被害者支援活動の保護をどのように行なうかについてで、こちらもコラコヴィッチ=ボヨヴィッチ主査の質問同様回答はなかった模様。

    いっぽうこちらも採録されていないが、続けて委員最後の質問でフィガロ・リヴァデネイラ委員(ペルー)はフーレ副委員長の発言を受けて、「真実への権利」は「複雑」と述べているようである(ハッキリしないが少なくともこの件における「被害者」の権利について強く肯定はしてはいない)(以上二日目 2:01:49 - )。

    また、一日目の最後、条約機関で毎度繰り返される、発効前の事件(だとして)の扱いについてのジャニナ委員長(アルバニア)によるコメントは、慰安婦を対象外(かつ「1970年から1980年」代だが「進行」中の北朝鮮拉致は対象)としているようにも取れるが、「被害者」の救済(条約二十四条5項)が未だ「進行」中とすれば「制限条項に拘束されな」いと強調か *10 。このもんだいと特定していないが、時効についてのやり取りも何度か行なわれている。

  • (日本政府応答)

    先般の人種差別撤廃委員会のような弾劾モード(?)までは行っていないかんじだが、立場に大きな隔たりがあり、日本側もかなりの時間を割いて反論を行なった(冒頭の日弁連ではないが、さいしょがかんじん的な?)。しかしけっきょくここ数年のいつものパターンに落ち着いてしまったように見える(下記も参照)。——のだが、岡村大使による最後の「代表団による返答」を UN Web TV でかくにんすると半歩ぐらい(?)前進しているようである(また「事実に基づいた」議論の必要性について繰り返し強調している)。

    まず本要約の、証拠は見つからなかった、「したがって(Accordingly)」隠したという主張は根拠がない、というのは少々妙な論理にも見えるのだが、実際の発言はいくら探しても見つからなかっただけで隠してはいない、といった内容である。いずれにせよ(おそらく)挺対協が証拠隠蔽を提起してくれた(上掲)こともあり、日本政府も「徹底した調査」(要約ではこの表現は落とされている)を行なった上での主張であることを表明する機会を得た訳ではある。続いて日韓基本条約を押さえ、まずまず(?)のところなのだが、次のアジア女性基金( AWF )あたりから怪しくなってくる。

    基金を発言どおり「償い金」とはしており、日本政府が拠出を行なっていることがカットされているのも目をつぶるとしても、発言にあった「人道的な点を考えて」が落とされている。この流れで「加えて(In addition)」、歴代首相が「謝罪」した、である。ここに来て突然これまでの説明と真逆のことを言っているようにしか見えない。

    この展開はこのところの日本政府の毎度の問題点で *11 、説明なしで触れるぐらいであれば「加え」ないほうがよい 。よって「人道的な点を考えて」と説明を入れたのは前進だが本要約では落とされた。政府拠出の件なども含めて当文書の意図を勘ぐったりしてしまうがこんなものだろう。政府の説明は「慰安婦問題に関して誤解」をむしろ裏打ちし——韓国が主張するような事実があったため謝罪や AWF 、2015合意、さらに言えば1965協定も行なわれたという——、そのような理解により要約されているようにもおもえる。UN Web TV 観ていて AWF でいかに政府が努力したかを大使が説明すればするほどドツボにハマっていくようでチト居たたまれない。なお、東ティモール慰安婦に関する NGO の指摘(挺対協も指摘していたが wam だろう)には具体的に反論していたが当要約では落とされた(以上二日目 2:36:22 - )。

    また、初日の返答で慰安婦問題に関する「強制失踪」申し立てについて回答していたが *12 、「大部分を占めた(民族的)日本人も含め」、くらい差し込んでもよいものをと *13 。また、北朝鮮による拉致問題については日弁連の指摘に頷けるところがあり、課題リストへの返答(CED/C/JPN/Q/1/Add.1)に被害者数を掲載したものの「政府認定拉致被害者」のみである。そのような論理も成り立つが、別表なりせめて注釈で「特定失踪者」に言及すべきだろう。

  • 最終見解予想(?)

    条約二十四条関連でフーレ副委員長的立場での勧告が成されると予想。日本政府による、批准前であることや「強制失踪」には当たらないという立場への「留意」はないだろう。LOI に取り上げられた時点で既定路線とみる(総括所見をとりまとめるコラコヴィッチ=ボヨヴィッチ主査は、慰安婦問題について挺対協報告の勧告をベースにした質問を行なっていた)。

  • なお、韓国がらみで「二重の危機(double jeopardy/一事不再理)」についてのやり取りは、アメリカと韓国は本条約の締約国ではないということでの言及らしい。

  • ( UN Web TV の映像より)

    • 11月5日

      (原語版)

      (英語版)

    • 11月6日

      (原語版)

      (英語版)

  • 国連人権高等弁務官事務所ホームページ(英語))*14

    • 「条約機関の国々」
      日本の報告状況
      CED - 強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約:

    • 「条約機関セッション」
      CED - 強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約
      第15回セッション(2018年11月5日 - 2018年11月16日)
      作業プログラム(PDF
      日本:

      声明:代表団代表による開会声明(2018年11月5日)(PDF)-「日本国政府表日本国外務省人権担当特命全権大使、岡村善文閣下による強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約第29条(1)に基づき締約国により提出された報告書の審査開会声明」

      代表団/代表者リスト:(2018年10月23月)(PDF)- MT-UN455

      課題リストへの返答:附属書(2)(2018年9月28日)(Excel

      課題リストへの返答:附属書(2018年9月28日)(Word

      課題リストへの返答:CED/C/JPN/Q/1/Add.1(2018年9月24日提出/2018年9月25日発行)(PDF)-「条約第29条(1)に基づき日本から提出された報告書に関する問題リスト 補遺 課題リストへの日本の返信」

      課題リスト:CED/C/JPN/Q/1(2018年7月22日)(PDF)-「条約第29条(1)に基づき日本から提出された報告書に関する課題リスト」

      市民社会組織からの情報(セッション用):日弁連(2018年6月22日)(PDF)-「強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約第29条(1)に基づく最初の日本審査に関する日本弁護士連合会報告」

      市民社会組織からの情報(セッション用):日本による軍事性的奴隷制度に徴用された女性のための韓国協議会[挺対協](PDF)-「強制失踪に関する委員会(CED) 15回セッション(2018年11月5日 - 11月16日)、日本」

      市民社会組織からの情報(セッション用):アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam)(2018年11月22日)(PDF)-「日本の軍事性的奴隷制度問題(いわゆる「慰安婦」問題)」

      締約国報告:CED/C/JPN/1(2016年7月22日提出/2016年8月25日発行)(PDF)-「条約第29条(1)に基づき締約国により提出された報告書の審査 2012年予定の締約国報告書 日本」

      報告への付属書:附属書1 強制失踪犯罪に関連する刑法(抜粋)(PDF
       -「附属書1 強制失踪犯罪に関連する刑法(抜粋)」
       -「附属書2 出入国管理及び難民認定法(仮訳)(1951年10月4日政令第319号)」
       -「附属書3 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律(抜粋)」
       -「附属書4 刑事訴訟法(抜粋) 」
       -「附属書5 逃亡犯罪人引渡法(抜粋)」

    • 委員会メンバー

      メンバー名 国籍 任期
      (副委員長)
      ハメド・アヤット氏
      Mr. Mohammed AYAT
      ロッコ 2021年6月30日
      モンセフ・バアティ氏
      Mr. Moncef BAATI
      チュニジア 2021年6月30日
      エマニュエル・ドゥコー氏
      Mr. Emmanuel DECAUX
      フランス 2019年6月30日
      (副委員長)
      マリア・クララ・ガルヴィス・パティーノ氏
      Ms. Maria Clara GALVIS PATINO
      コロンビア 2019年6月30日
      ダニエル・フィガロ・リヴァデネイラ氏
      Mr. Daniel FIGALLO RIVADENEYRA
      ペルー 2019年6月30日
      (副委員長)
      ライナー・フーレ氏
      Mr. Rainer HUHLE
      ドイツ 2019年6月30日
      (委員長)
      スエラ・ジャニナ氏
      Ms. Suela JANINA
      アルバニア 2019年6月30日
      ミリツァ・コラコヴィッチ=ボヨヴィッチ氏
      Ms. Milica KOLAKOVIC-BOJOVIC
      セルビア 2021年6月30日
      オラシオ・ラヴェナ氏
      Mr. Horacio RAVENNA
      アルゼンチン 2021年6月30日
      (報告者)
      寺谷広司氏 *15 
      Mr. Koji TERAYA
      日本 2021年6月30日
  • (外務省ホームページ)

    強制失踪条約第1回政府報告審査における岡村善文政府代表の冒頭ステートメント(英文(PDF)/仮訳(PDF))(2018年11月)-「強制失踪条約第1回日本政府報告審査 岡村善文日本政府代表団長による冒頭ステートメント

    第1回政府報告(和文テキスト・別添(PDF)/英文テキスト(PDF)/英文別添(PDF))-「強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約(強制失踪条約)第29条に基づく第1回日本政府報告」

    条文 和文テキスト(PDF

  • 関連エントリ

  • 掲載URL:
    https://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/62A228A5D8DCFDE2C125833D00357B3E?OpenDocument


COMMITTEE ON ENFORCED DISAPPEARANCES CONSIDERS THE REPORT OF JAPAN
強制失踪に関する委員会、日本の報告を審査

6 November 2018
2018年11月6日

The Committee on Enforced Disappearances today concluded its consideration of the initial report of Japan on its implementation of the provisions of the International Convention on the Protection of All Persons from Enforced Disappearance.
強制失踪に関する委員会は本日、強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約の規定のその履行に関する日本の最初の報告の審査を終結した。

Presenting the report, Yoshifumi Okamura, Ambassador for Human Rights at the Ministry of Foreign Affairs of Japan, stressed that since Japan had ratified the Convention, no criminal acts including the three constitutive acts of enforced disappearance had been committed under Japanese control. A number of programmes focusing on sanctioning and prevention of enforced disappearances already existed in Japanese legislation. Unfortunately, enforced disappearances had been reported throughout the world. The abduction of Japanese citizens by the Democratic People’s Republic of Korea was of great concern for the Government and it had recorded 17 such cases between 1970 and 1980. Only five persons had been able to return home. In order to universalize the criminalization of enforced disappearances, including abductions, it was indispensable to gain the understanding and cooperation of the international community. Indeed, increasing the number of States parties was a pressing issue. The Government of Japan was making steadfast efforts to promote the universal ratification of the Convention. For example, Japan was active in conducting outreach activities to encourage non-States parties, especially in the Asia-Pacific region, to ratify the Convention, including by making recommendations at the Universal Periodic Review sessions.
報告を提示し、岡村善文、日本国外務省人権担当大使は、日本が条約を批准して以来、日本の管理下で強制失踪の三つの構成行為を含む犯罪行為は行なわれていないと強調した。制裁と強制失踪の防止に焦点を当てた多くのプログラムが、すでに日本の法律に存在していた。残念ながら、世界中で強制失踪が報告されていた。北朝鮮による日本国民の拉致は政府にとって重大な懸念であり、1970年から1980年のあいだに17のそうした事件が記録されていた。五名だけが帰宅できた。拉致を含む強制失踪の犯罪化を普遍化するためには、国際社会の理解と協力を得ることが不可欠だった。実際、締約国の数を増やすことは喫緊の課題だった。日本国政府は、条約の普遍的な批准を促進するために確固たる努力を行っていた。例えば、日本は、条約を批准するために、とりわけアジア太平洋地域において、普遍的定期的審査で勧告を行なうことを含む非締約国を後押しするアウトリーチ活動の実施において積極的だった。

In the ensuing discussion, Committee Experts observed that under the Penal Code there was no clear system of exception for the derogation of rights, and they wondered whether the State party would consider introducing an autonomous crime of enforced disappearance. The Experts further noted that there were no explicit guarantees against punishment for persons who refused to obey orders or instructions that prescribed, authorized or encouraged enforced disappearance. The Experts further inquired about the definition of enforced disappearance and of victims of that crime, jurisdiction in the crime of enforced disappearance, establishing aggravating and mitigating circumstances in line with the Convention provisions, the statute of limitations, double jeopardy, reciprocity in requests for extradition, inclusion of the crime of enforced disappearance in all extradition treaties with other countries, and training on enforced disappearances for judges, prosecutors, correction officers, police and military officials. Other issues raised included Japan’s non-acceptance of article 31 of the Convention, guarantees for victims to lodge complaints under article 12 of the Convention, dialogue with civil society, comfort women, independent visits to places of detention, the substitute prison system and detention without judicial review, registries of detention facilities, migration detention, the right to truth by victims, abduction of children, and compensation for victims.
その後の議論において、委員会専門家は、刑法のもとでは、権利の特例に関する明確な例外体系が存在しないことを観察し、締約国が強制失踪の自律犯罪の導入を考えるかどうか疑問視した。専門家はさらに、指示、許可、または奨励された強制失踪の命令や指図に従うことを拒否した者への処罰に反対する明白な保証はないことを指摘した。専門家はさらに、強制執行とその犯罪の被害者の定義、強制失踪犯罪における管轄権、条約の条項に沿った加重事由および軽減事由の制定、時効、二重の危機(一事不再理)、引渡しの請求における相互主義、他の国とのすべての引渡し条約における強制失踪犯罪の包含、裁判官、検察官、刑務官、警察官、軍職員に対する強制失踪の訓練について要請した。刑事裁判所の犯罪行為の撲滅を目指している。他の問題としては、日本の条約第31条非受諾、条約第12条に基づく苦情申立てに対する被害者への保証、市民社会との対話、慰安婦、拘留場所への独立訪問、代用監獄制度および司法審査なしの勾留、拘留施設の登記、移住者収容、犠牲者による真実への権利、児童拉致、犠牲者に対する補償について尋ねた。 

In her concluding remarks, Milica Kolaković-Bojović, Committee Expert and Co-Rapporteur for Japan, thanked the delegation for their comprehensive answers, which had contributed to the Committee’s understanding of Japan’s legal framework and implementation of the Convention.
彼女の結語において、ミリツァ・コラコヴィッチ=ボヨヴィッチ、委員会専門家および日本担当共同報告者は、委員会の日本の法的枠組みと条約の履行の理解に貢献した、包括的な回答について代表団に感謝した。

Moncef Baati, Committee Expert and Co-Rapporteur for Japan, added that the dialogue had been rich and that the conduct of the delegation had been highly professional. The dialogue had been a fruitful one for both parties.
モンセフ・バアティ、委員会専門家および日本担当共同報告者は、対話は豊かであり、代表団の行動は高度に専門的だったと付け加えた。対話は双方にとって有益なものだった。

On his part, Mr. Okamura expressed his genuine gratitude for the opportunity to have an intensive dialogue with the Committee. The Government of Japan would continue to strive to make the crime of enforced disappearance fully recognized by the international community.
彼の側では、岡村氏は委員会との集中的な対話を持つ機会について心から感謝を表明した。日本国政府は、国際社会によって完全に認められた強制失踪犯罪を行なうことに反対することを継続する。

Suela Janina, Committee Chairperson, thanked the delegation for the constructive dialogue and wished it a safe trip back home.
スエラ・ジャニナ、委員会委員長は、建設的な対話について代表団に感謝し、帰国の安全な旅を願った。

The delegation of Japan included representatives of the Ministry of Foreign Affairs, the Ministry of Justice, the Ministry of Health, Labour and Welfare, and the Permanent Mission of Japan to the United Nations Office at Geneva.
日本代表団には、外務省、法務省厚生労働省および在ジュネーブ国連事務所日本政府代表部の代表者を含んだ。

The Committee will next meet in public today at 3 p.m., to begin its consideration of the initial report of Portugal (CED/C/PRT/1).
委員会は、ポルトガルの最初の報告書(CED/C/PRT/1)の審議を開始するために、本日午後3時に次の公開会合を行なう。

Report
報告書

The initial report of Japan can be read here: CED/C/JPN/1.
日本の最初の報告書はこちらで読むことができる:CED/C/JPN/1 

[一日目]

Presentation of the Report
報告のプレゼンテーション

YOSHIFUMI OKAMURA, Ambassador for Human Rights at the Ministry of Foreign Affairs of Japan, […]
岡村善文、日本国外務省人権担当大使は、[…]

While Japan had never experienced cases of enforced disappearances involving its own Government, it had nevertheless suffered the abduction of its nationals and therefore it fully understood the suffering of the victims. Mr. Okamura recalled the determination to resolve the problem of enforced disappearances and bring all the kidnapped persons back to Japan, that Japanese Prime Minister Shinzo Abe had expressed at the seventy-third session of the United Nations General Assembly. The abduction of Japanese citizens by the Democratic People’s Republic of Korea was a great concern - 17 such cases had been recorded between 1970 and 1980 and only five persons had returned home, he said.
日本は自国政府が関係する強制失踪事件を一度も経験していないが、それにもかかわらず、その国民の拉致を被ったため、被害者の苦しみを十分に理解していた。岡村氏は、日本安倍晋三首相が国連総会第七十三回セッションで表明した、強制失踪問題を解決し、すべての被拐取者に日本帰国をもたらすための決意を想起した。北朝鮮による日本国民の拉致は重大な懸念だった。1970年から1980年のあいだに17のそうした事件が記録され、五名だけが帰宅していた、と彼は述べた。

The understanding and cooperation of the international community was indispensable in order to universalize the criminalization of enforced disappearances, including abductions. The Convention was beneficial in affirming that enforced disappearance was a crime, that perpetrators should be punished, and that it was important to prevent recurrence of such crimes in the future; and it was significant in attracting international attention to the issue of enforced disappearances, including abductions. That was why Japan had signed the Convention on 6 February 2007, becoming the first country in the Asia-Pacific region to do so.
国際社会の理解と協力は、拉致を含む強制失踪の犯罪化を普遍化するために不可欠だった。条約は、強制失踪は犯罪であり、その加害者は処罰されるべきであり、将来的にそのような犯罪の再発を防止することが重要であることを確認するのに有益であり、拉致を含む強制失踪の問題に国際的な注意を引き付けることは意義深かった。アジア太平洋地域でそれを行なう最初の国となり、2007年2月6日に日本がこの条約に署名した理由はこのためだった。

[…]

Questions from the Committee Experts
委員会専門家からの質問

MILICA KOLAKOVIĆ-BOJOVIĆ, Committee Co-Rapporteur for Japan, 
ミリツァ・コラコヴィッチ=ボヨヴィッチ、日本担当共同報告者は、[…]

[…]

When would the documents concerning the enforced disappearances of comfort women be disclosed?
慰安婦の強制失踪に関する文書はいつ開示されるのか?。

MONCEF BAATI, Committee Co-Rapporteur for Japan, […]
モンセフ・バアティ、日本担当共同報告者は、[…]

[…]

The delegation was asked to inform on the training provided on enforced disappearances and to explain how double jeopardy was avoided in mutual assistance agreements with countries which were not parties to the Convention.
代表団は、強制失踪に関する訓練に関しての情報提供と、条約への締約国ではない国々との相互援助協定において二重の危機がどのように回避されたかを説明するよう尋ねられた。

[…]

Replies by the Delegation
代表団による返答

[…]

YOSHIFUMI OKAMURA, Ambassador for Human Rights at the Ministry of Foreign Affairs of Japan, noted that it was not appropriate for the Committee to take up the issue of the so-called comfort women because it predated the entry into force of the Convention in 2010, and reiterated that no complaint against the Government of Japan under article 12 of the Convention, including in relation to comfort women, had been raised to date. Since the early 1990s, Japan had conducted fact-finding studies on the issue of comfort women, which included research and investigation of documents held by various governmental agencies and ministries, document searches at the United States National Archives and Records Administration, and hearings of relevant individuals, including former military parties and managers of “comfort stations” and the analysis of testimonies collected by the Korean Council, a non-governmental organization. The forceful taking away of comfort women by the military and Government authorities could not be confirmed in any of the documents in those studies, said the head of the delegation, stressing that all the study results had been disclosed to the public and were accessible on the Internet, including on the webpage of the Asian Women Fund. There was no ground for the criticism that the Government of Japan was concealing any documents with regard to the issue of comfort women, Mr. Okamura said, adding that the announcement of the results of the studies represented a closure on this issue.
岡村善文、日本国外務省人権担当大使は、2010年に条約が発効する前に遡るため委員会がいわゆる慰安婦問題を取り上げることは適切でないと指摘し、慰安婦関連を含む条約第12条に基づく日本国政府に対する申し立ては、これまでに提起されていなかったことを再確認した。1990年代初頭以来、日本慰安婦問題に関する事実調査研究を実施しており、さまざまな行政機関や省庁が保有する文書の研究調査、米国国立公文書館における文書検索、ならびに元軍当事者や「慰安所」の管理者、および非政府組織の韓国協議会が収集した証言の分析を含む関連する個人の聞き取りを含んでいた。すべての調査結果は公開され、アジア女性基金のウェブページを含むインターネットでアクセス可能だったと強調し、軍や政府当局者による慰安婦の強制連行は、これらの研究のいずれの文書においても確認することができなかった、と代表団長は述べた。調査結果の発表がこの問題に関する終結を意味したと付け加え、岡村氏は日本国政府が慰安婦問題に関して何らかの文書を隠しているという批判の根拠はないと述べた。

Another delegate said that Japan had jurisdiction over acts of enforced disappearance committed on its own territory, as well as over such acts committed by Japanese nationals abroad. Perpetrators were extradited in line with the Japanese law, while the crime of enforced disappearance was included in the bilateral extradition agreements with the United States and the Republic of Korea.
別の代表は、日本は、自国の領土での強制失踪行為や、同様に日本国民によって海外で行なわれたそうした行為に対して管轄権を有すると述べた。強制失踪犯罪は米国と韓国との二国間引き渡し協定に含まれていたが、加害者は日本の法律に沿って引き渡された。

[…]

Follow-up Questions
フォローアップ質問

[…]

SUELA JANINA, Committee Chairperson, reminded that the Committee had affirmed in 2013 that it did not exercise competence over the cases that had taken place prior to the entry into force of the Convention in any State party, and said that, because of the continuous nature of the crime of enforced disappearance, the Committee’s competence was not bound by the statute of limitation.
スエラ・ジャニナ、委員会委員長は、委員会は2013年に、いかなる締約国においても条約の発効前に行なわれた事件について権限を行使しないことを確認したことを想起し、強制失踪犯罪の進行性ゆえに、委員会の権限は制限条項に拘束されなかったと述べた。

[二日目]

Replies by the Delegation
代表団による返答

[…]

Bilateral treaties on extradition and mutual assistance with the United States and the Republic of Korea prevented double jeopardy on the Japanese side. National jurisdiction was established when an act of enforced disappearance was committed on Japanese territory, or when the act committed involved a Japanese national either as an author of the crime or its victim.
米国と韓国との引き渡しと相互扶助に関する二国間条約は日本側での二重の危機を防止した。国家の司法管轄は、強制失踪行為が日本の領土で行われたとき、またはその行為が犯罪の張本人または被害者のいずれかとして日本国民を巻き込んだときに成立した。

[…]

The delegation reiterated that the right of victims to reparation ended 20 years after the crime had been committed. Judges systematically received training on international human rights instruments, as part of their continued education. The quality of the training was ensured by qualified State officials, as well as by invited United Nations functionaries.
代表団は、犠牲者の賠償の権利は、犯罪が行なわれてから20年後に終了したことを再確認した。裁判官は、継続的な教育の一環として、国際人権文書に関して体系的に訓練を受けた。訓練の質は、有資格国家公務員と、同様に招待された国連職員によって保証された。

Questions by the Committee Experts
委員会専門家による質問

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Replies by the Delegation
代表団による返答

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Follow-up Questions by the Committee Experts
委員会専門家によるフォローアップ質問

MILICA KOLAKOVIĆ-BOJOVIĆ, Committee Expert and Co-Rapporteur for Japan, reiterated her question about Japan’s plans to consolidate the registries of persons deprived of liberty. She further inquired about compensation awarded by the State when enforced disappearance had occurred.
ミリツァ・コラコヴィッチ=ボヨヴィッチ委員会専門家および日本担当共同報告者は[…]

What had been other actions by the State regarding the issue of comfort women, and what information was available about the removal of children born to comfort women?
慰安婦問題に関する締約国による他の措置は何であったのか、また慰安婦に生まれた子どもの移動についてはどのような情報が入手可能か?

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An Expert asked how the reparation procedure arising from political decisions would unfold in practice. For example, how did it unfold following agreements with the Democratic People’s Republic of Korea?
ある専門家[マリア・クララ・ガルヴィス・パティーノ副委員長(コロンビア)]は、政治的決定から生じる賠償手続が実際にどのように展開されるのか尋ねた。例えば、北朝鮮との協定を受けて、どのように展開されたのか?。

Another Expert inquired about the right to truth in the context of the issue of comfort women. How did the Government of Japan take into account the testimonies of surviving women? There were reports of physical attacks and hate speech against persons in Japan speaking out about the issue of comfort women.
別の専門家[ライナー・フーレ副委員長(ドイツ)]は、慰安婦問題のコンテクストにおける真実に対する権利について尋ねた。日本国政府は生存している女性の証言をどのように考慮したのか?。日本において慰安婦問題について声を上げた人に対する身体的攻撃やヘイトスピーチの報告があった。

Replies by the Delegation
代表団による返答

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In order to protect ageing victims of abduction by the Democratic People’s Republic of Korea, the Government of Japan provided them with monthly benefits, pensions, consultation services, as well as training for employment and educational assistance for their children. The Government had passed a special law for the victims of abduction by the Democratic People’s Republic of Korea.
日本国政府は、北朝鮮による拉致被害者を守るために、毎月の給付、年金、相談、加えて就業訓練および彼らの子どものための教育支援を提供した。政府は北朝鮮による拉致被害者特別法を通過させていた。

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YOSHIFUMI OKAMURA, Ambassador for Human Rights at the Ministry of Foreign Affairs of Japan, regretted that his previous statement on the issue of comfort women had not been understood. He reiterated that the Government of Japan had conducted a fact-finding study since the 1990s in order to establish the factual basis for that issue. The forceful taking away of comfort women by the military of the Government authorities could not be confirmed in any document. Accordingly, there was no ground for claiming that the Government of Japan was concealing any documents or facts with respect to the so-called comfort women issue. The Government of Japan was of the view that the issue of property and claims had been legally settled by an agreement between the Republic of Korea and Japan in 1965. The Asian Women’s Fund had provided atonement money to former comfort women from donations of the Japanese people. In addition, successive prime ministers of Japan had sent signed letters of apology to former comfort women. There was misunderstanding on the comfort women issue and the belief that comfort women had been forcefully taken away was a fabricated story made in a book by Seiji Yoshida called “my war crime”, which was published in 1983. The contents of the book had had a tremendous impact on the international community, but it was later proved to be entirely the work of his imagination.
岡村善文、日本国外務省人権担当大使は、慰安婦問題に関する彼の以前の声明が理解されていなかったことが遺憾だった。彼は、日本国政府がその問題についての事実関係を確証するために1990年代から事実調査研究を実施していたことを再確認した。政府当局の軍による慰安婦の強制連行は、いかなる文書でも確認できなかった。したがって、日本国政府がいわゆる慰安婦問題に関わる何らかの文書や事実を隠していたと主張する根拠はなかった。日本国政府は、1965年に韓国日本のあいだの合意によって、財産および請求の問題が合法的に解決されたとの見解を示した。アジア女性基金日本人の寄付から元慰安婦に償い金を提供していた。加えて、歴代の日本の首相は、元慰安婦に謝罪の署名書簡を送っていた。慰安婦問題に関して誤解があり、慰安婦が強制連行されたという考え方は、1983年に出版された『私の戦争犯罪』という吉田清治による本においてつくられた捏造物語だった。同書の内容は国際社会に多大な影響を与えたが、のちに完全に彼の想像力の産物であることが証明された。

Concluding Remarks
結語

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2018年11月10日

*1:同サイトへのリンク先参照。

*2:話題の「徴用工」は提起されていない。

*3:このところ人権理事会で親による子どもの拉致(連れ去り)について提起している国際キャリア支援協会も報告の提出はなし。

*4:国連人権高等弁務官事務所ホームページへのリンク先参照。

*5:ditto.

*6:ditto.

*7:第二条(外務省ホームページ「条文 和文テキスト」へのリンク先参照)。

この条約の適用上、「強制失踪」とは、国の機関又は国の許可、支援若しくは黙認を得て行動する個人若しくは集団が、逮捕、拘禁、拉致その他のあらゆる形態の自由のはく奪を行う行為であって、その自由のはく奪を認めず、又はそれによる失踪者の消息若しくは所在を隠蔽、かつ、当該失踪者を法律することを伴いその保護の外に置くものをいう。

*8:「性奴隷」とも発言し、このあと岡村大使がその用語は不適切であると言及している。

*9:国連人権高等弁務官事務所ホームページ「作業プログラム」へのリンク先参照。

*10:実際の条文での締約国の義務は、「この条約が当該国について効力を生じた後に開始された強制失踪」のみである(第三十五条)。

1 委員会は、この条約の効力発生後に開始された強制失踪についてのみ権限を有する。

2 この条約の効力発生後にいずれかの国が締約国となる場合には、委員会に対して当該国が負う義務は、この条約が当該国について効力を生じた後に開始された強制失踪に関するものに限る。

*11:要するに2014年10月のこの説明のライン(外務省ウェブサイト「歴史認識」)。

*12:挺対協を「韓国協議会(Korean Council)」としているようだ。Wikipedia 英語版にもそのような名で知られるとあるが、日本政府としてはフルネームでは呼べないですな。

*13:なお、会合後48時間以内の書面による回答、補足が認められている。

*14:5 - 6月の14回セッションにもざっと眺めて同じ資料がアップされている(「条約機関の国々」「条約機関セッション」双方)。延期されていた?。

*15:本委員会も自国審査には加わらない決まりとおもわれる。外務省ホームページの報道発表(委員選挙結果)へのリンク先も参照。