dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第37回人権理事会:開発権を含む、すべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利に関する一般討論


文書番号:HRC18/033E

ノート:

  • アメリカ、イギリスが中国に言及し、中国が反論:「表現の自由は絶対ではない」。人の世に「絶対」などないが、一党独裁国が(あるいは独裁国ゆえに)このような発言を堂々と開陳(恐)(したように本要約では見える)。「中国は、引き続き国際人権の建設的な貢献者となる」(呆)。

  • 被抑圧民族協会(本部ドイツ)がウイグル人弾圧に言及。中国は午後の会合で答弁権を行使して反論する(下記掲載関連エントリ 2018-03-09 参照)。

  • 国際人権活動日本委員会より前田朗東京造形大学教授が慰安婦問題について発言。本要約ではばっさり落とされているが、先月27日に「日本軍慰安婦国際カンファレンス」でソウル市が「初」公開としたものの日本ではほとんど相手にされなかった「朝鮮人慰安婦虐殺」映像に言及し、日本政府に説明を要求している。「虐殺」の史料としては筋悪のようだが印象操作の材料としてはじゅうぶんインパクトがある。

    また韓国人以外の「慰安婦問題」について発言、このような例に漏れず日本人慰安婦には言及しない。「二国間問題ではない」という説明はハイレベル・セグメントの討議において韓国政府も持ち出していたが、「普遍的人権問題」という文脈だった*1 。ここでは日本政府からこれ以上韓国へは引き出せないのを悟って矛先を変えたようにも見えるのだが、日本政府含め、韓国以外の国々出身の慰安婦の存在を否定するものではない。この場合いつもの「サンフランシスコ講和条約およびその他の二国間条約で…」の説明になるのだろうが、スマラン事件は、慰安婦制度そのものが「強制連行」であったかのような言説に利用されている。ここは説明の機会でもあったのだが、日本は答弁権を行使せず(関連エントリ 2018-03-09 参照)*2

  • ( UN Web TV の映像より)
    チャプター06:米国/ジェイソン・マック(Jason Mack)在ジュネーブ政府代表部一等書記官
    チャプター07:英国/マシュー・フォアマン(Matthew Forman)政府代表
    チャプター09:中国/ダズ・ダーマオ(Daz Demao)政府代表
    チャプター66:被抑圧民族協会/ライアン・バリー(Ryan Barry)氏
    チャプター96:国際人権活動日本委員会/前田朗氏(東京造形大学教授)

  • 関連エントリ

掲載URL:https://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/D38F78FB329FD8DFC125824B0052E543?OpenDocument


HUMAN RIGHTS COUNCIL HOLDS GENERAL DEBATE ON ALL HUMAN RIGHTS, CIVIL, POLITICAL, ECONOMIC, SOCIAL AND CULTURAL RIGHTS, INCLUDING THE RIGHT TO DEVELOPMENT
人権理事会、開発権を含む、すべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利に関する一般討論を開催

9 March 2018
2018年3月9日

The Human Rights Council this morning continued its general debate on all human rights, civil, political, economic, social and cultural rights, including the right to development.
今朝の人権理事会は、開発権を含む、すべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利に関する一般討論を継続した。

[…]

The general debate started on Thursday, 8 March and a summary can be found here.
一般討論は3月8日木曜日に始まり、こちらで要約を確認できる。

[…]

General Debate on All Human Rights, Civil, Political, Economic, Social and Cultural Rights, including the Right to Development
開発権を含む、すべての人権、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利に関する一般討論

[…]

United States was concerned about efforts to inappropriately collectivize human rights, which had been guaranteed to individuals. China’s continued attempts to import domestic political terms into the United Nations context were noted with concern. It was warned that the Intergovernmental Working Group on Transnational Corporations was detracting from the multi-stakeholder approach enshrined within the United Nations Guiding Principles.
米国は、個人に保証されていた人権を不適切に集団化させる取り組みについてが懸念された。国内政治用語を国連の文脈に取り込もうとする中国の継続的試みが懸念とともに指摘された。多国籍企業に関する政府間作業部会は、国連指導原則に盛り込まれているマルチステークホルダー・アプローチから逸脱していることが警告された。

United Kingdom noted the positive signs of media freedom improvements in The Gambia and Ecuador. Freedom House estimated that only 13 per cent of the world’s population had domestic access to a free press. In Maldives broadcasters airing speeches at opposition rallies had been fined and journalists had been pepper-sprayed. Foreign and domestic media in China was routinely censored. Freedom of expression was also an issue in Turkey, Eritrea and Egypt.
英国は、ガンビアエクアドルにおけるメディアの自由の進展の肯定的な兆候を指摘した。フリーダム・ハウスは、世界の人口のわずか13%しか自由な報道への国内アクセスがないと推定した。モルディブでは、野党の集会での演説を放じる放送局は罰金を科され、ジャーナリストはペッパースプレーされていた。中国において外国メディアと国内メディアは日常的に検閲された。トルコ、エリトリアおよびエジプトにおいても表現の自由が問題だった。

[…]

China said it was confused by the statement of the United States, which used its own values to judge the values of other sovereign States. All countries should establish international relations in line with the principles of impartiality and non-interference, which was in a stark contrast with countries that promoted unilateralism. China noted that freedom of expression was not absolute. The United Kingdom had a serious problem with human rights and it abused civilians in its anti-terrorist campaign, as well as with modern slavery. China would continue to be a constructive contributor to international human rights.
中国は、ほかの主権国の価値観を判断するのに自身の価値観を用いた米国の声明に混乱させられたと述べた。すべての国々は、一国主義を推進した国とは著しい対照をなす、公平性と非干渉性の原則に沿って国際関係を確立すべきである。中国は、表現の自由は絶対ではないと指摘した。英国は、人権に深刻な問題を抱えており、現代の奴隷制度だけでなく、反テロ活動でも民間人を虐待した。中国は、引き続き国際人権の建設的な貢献者となる。

[…]

Society for Threatened Peoples drew attention to the arbitrary detention of Uyghurs in re-education camps in China. Thousands of Uyghurs had been rounded up throughout 2017 by Chinese authorities for re-education. They had been targeted on account of their ethnicity and in some cases, their connections to people outside China. Those detained in the camps had not been charged with a crime, and had been deprived of a trial and of legal access to legal remedies.
被抑圧民族協会は、中国の再教育キャンプにおけるウイグル人の恣意的抑留に注目を集めた。何千人ものウイグル人が、2017年を通して中国当局によって再教育のために集められていた。彼らは民族性と、場合によっては中国国外の人々とのつながりを理由に標的にされていた。キャンプで拘束された者は、犯罪で告発されておらず、裁判や法的救済への法的アクセスを奪われていた。

[…]

Japanese Workers’ Committee for Workers Rights raised some concerns about the issue of comfort women during the Second World War, stating that Japan’s military sexual slavery had not been just a bilateral issue between the Republic of Korea and Japan. It had been practiced throughout the Asia-Pacific region until Japan’s defeat in 1945. Victims were not just Korean, but also Chinese, Taiwanese, Filipino, Malaysian, Indonesian, East Timorese, Papua New Guinean and Dutch.
国際人権活動日本委員会は、第二次世界大戦中の慰安婦問題について、日本の軍事性的奴隷制度が韓国日本のあいだの二国間問題ではなかったことを表明し、慰安婦問題に関する懸念を提起した。被害者は韓国人だけでなく、中国人、台湾人、フィリピン人、マレーシア人、インドネシア人、東チモール人、パプアニューギニア人およびオランダ人でもあった。

[…]


2018年3月18日

*1: 下記参照。

*2:なお、2016年12月に、自由権規約委員会第六回定期報告に対する最終見解への「日本政府コメントに対する自由権規約委員会の分析評価報告書」の情報提供要請への「日本政府コメント」で(長い…)、スマラン事件にも言及した文書を提出している。