dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第37回人権理事会:プライバシーの権利、および児童売買の文脈における商業的代理出産


文書番号:HRC18/025E

ノート:

  • テロ等準備罪」公開書簡のケナタッチ博士、enjo kosai(compensated dating)30/13パーセント発言のブーア=ブキッキオ氏 *1 の両特別報告者が登場。報告プレゼンテーションでは日本への言及(の採録)はとくになかった模様だが、日本がプライバシーの権利について発言。年次報告書が言及している「書簡」について、受領した際と同様の抗議を行なっている。経緯については関連エントリ 2017-05-23 参照。下記は本要約リンク先同報告書 A/HRC/37/62(先行未編集版)P. 16 の記述。

    75.  2017年5月18日、特別報告者は、人権高等弁務官事務所のウェブサイト上で、日本国政府に対し、申し立ての公開書簡を公表するという、まれな手段を取り [27] 、現在、国際人権法の基準に関する議論を行なうための日本政府からの招待を待っている。

    国別訪問を行なう方向になった模様 *2 。テレ朝(報道ステーション)にも煽られ(?)「日本政府からの回答を含め、すべて人権理事会に報告する」と語っていた特別報告者であったが *3 、今回の報告は上記だけのようである。日本政府はすでに正式な「回答」も別に提出しておるのだが、報告書やウェブページへの掲載や言及も見当たらない。
  • 上記両方の騒動(?)に関わりがあったヒューマンライツ・ナウ(と事務局長の伊藤和子弁護士 *4 )。日本の児童ポルノについて発言。提出文書(国連公式文書システム(英語)):
    A/HRC/37/NGO/162 「『児童ポルノ』とみられる商品は日本で公然と発売されている」(2018年2月15日)

  • (監視だらけの)中国が強調する「プライバシーの権利に関する法的枠組み」への「共通の国際理解」とは(謎)。

  • ( UN Web TV の映像より)
    チャプター18:中国/シャオ・ウー(Shao Wu)政府代表
    チャプター34:日本/志野光子ジュネーブ政府代表部大使
    チャプター--:ヒューマンライツ・ナウ/キャサリンウォルトン(Katherine Walton)氏( 2:27:43 - )
    ※ チャプターは49までしか発番されていない。

  • 関連エントリ

掲載URL:https://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/5849E29A8B0AC7B7C12582480048DA58?OpenDocument


HUMAN RIGHTS COUNCIL DISCUSSES THE RIGHT TO PRIVACY, AND COMMERCIAL SURROGACY IN THE CONTEXT OF THE SALE OF CHILDREN
人権理事会、プライバシーの権利、および児童売買の文脈における商業的代理出産を議論

6 March 2018
2018年3月6日

The Human Rights Council this morning held a clustered interactive dialogue with the Special Rapporteur on the right to privacy, Joe Cannataci, and the Special Rapporteur on the sale of children, child prostitution and child pornography, Maud de Boer-Buquicchio.
今朝の人権理事会は、プライバシーの権利に関する特別報告者、ジョー・ケナタッチ、ならびに児童売買、児童売春および児童ポルノに関する特別報告者、マオド・ド・ブーア=ブキッキオとの集約化双方向対話を開催した。

[…]

Documentation
ドキュメンテーション

The Council has before it the Report of the Special Rapporteur on the right to privacy (A/HRC/37/62)
理事会には、それ以前にプライバシーの権利に関する特別報告者の報告(A/HRC/37/62)がある。

The Council has before it the Report of the Special Rapporteur on the sale of children, child prostitution and child pornography (A/HRC/37/60).
理事会には、それ以前に児童売買、児童売春および児童ポルノに関する特別報告者の報告(A/HRC/37/60)がある。

The Council has before it an addendum to the Report of the Special Rapporteur on the sale of children, child prostitution and child pornography – mission to the Dominican Republic (A/HRC/37/60/Add.1).
評議会には、それ以前にドミニカ共和国へのミッション、児童売買、児童売春および児童ポルノに関する特別報告者の報告の補遺(A/HRC/37/60/Add.1)がある。

[…]

Interactive Dialogue
双方向対話

[…]

China stressed the lack of a common international understanding that would underline the legal framework on the right to privacy and urged the Special Rapporteur to carry out his work and constructive dialogues with all States in line with the United Nations Charter. Surrogacy was a legally, ethically and socially complex issue, which China carefully regulated to curb the sale and trafficking of children.
中国は、プライバシーの権利に関する法的枠組みを強調する共通の国際理解の欠如を強調し、特別報告者に対し、国連憲章に沿った、全締約国との作業および建設的対話を実行するよう強く促した。代理出産は法的、倫理的および社会的に複雑な問題であり、中国は児童の、売買、人身売買を抑制するように慎重に規制した。

[…]

Interactive Dialogue
双方向対話

[…]

Japan stated that it remained committed to playing an active role in protecting and promoting human rights, including the right to privacy, in the international community. It regretted that it had not been given any opportunity to respond to the letter of allegation mentioned by the Special Rapporteur in his report.
日本は、国際社会において、プライバシーの権利を含む人権の保護と促進において積極的役割を果たすことに引き続きコミットすると表明した。報告書において、特別報告者により言及された申し立て書簡に対する返答への、いかなる機会も与えられなかったことは遺憾だった。

[…]

Human Rights Now had conducted an investigation which had found that child pornography was widely available in Japan and yet the authorities did very little to address the deeply embedded problem of child pornography.
ヒューマンライツ・ナウは、日本において児童ポルノが広く利用可能だったが、当局は深く埋め込まれた児童ポルノの問題にほとんど対処していないとする調査を行なっていた。

[…]


2018年3月14日

*1:外務省報道発表(2015年11月11日)なお、もんだいの発言のあった日本記者クラブでの会見を報じるもの(とおもわれる)含め、国連高等弁務官事務所ホームページには「13パーセント」の記載はなく、同じく同特別報告者ウェブページにも上記の件への言及や報告者の「回答」の掲載はない。

  • 「児童売買、児童売春および児童ポルノに関する国連特別報告者、マオド・ド・ブーア=ブキッキオの日本訪問に関するミッション終了のステートメント」(2015年10月26日/10月28日アーカイヴ)(英語)- 「プレスリリース
  • 「国連人権専門家、子どもの性的搾取と戦うための努力を強化するよう日本に強く促す」(2015年10月28日/同11月19日アーカイヴ)(英語)- 同上。日本語版(Word)あり。
  • 「児童売買に関する特別報告者」(2016年1月5日アーカイブ)(英語)-「最新ニュース(Latest News)」や「ハイライト(Highlights)」の日本についての掲載は上記10月28日プレスリリースのみ。
また「回答」のとおり報告書にはこの数字への言及はない。外務省は別に日本訪問の報告について29項目のコメントを行なっている(Add.3)。
  • A/HRC/31/58「児童売春、児童売春、児童ポルノに関する特別報告者の報告」(2015年12月31日)(英語/(PDF))-「 OHCHR | 年次報告」(英語
  • A/HRC/31/58/Add.1「日本訪問に関する児童売春、児童売春、児童ポルノに関する特別報告者の報告」(2016年3月3日)(英語(PDF))-「 OHCHR | 国別訪問」(英語
  • A/HRC/31/58/Add.3「日本訪問に関する児童売春、児童売春、児童ポルノに関する特別報告者の報告補遺 日本政府のミッションに関する特別報告者の報告に関するコメント」(2016年3月7日)(英語(Word))- 同上

*2:ただし同報告者ウェブページ「国別訪問」(英語)の、訪問要請の送付国への記載はない。報告書によれば掲載の各国にはすでに訪問済みのようなので(P. 10)、メンテされてないっぽいが。

*3:特別報告者の言っていたこの時点での「回答」とは、抗議文のことだろう。テレ朝news(2017年5月23日)。

*4:ヒューマンライツ・ナウは、同時期に国連本部(ニューヨーク)で開催中の第62回女性の地位委員会(3月12日 - 23日)で、3月16日にニューヨーク州女性弁護士の会と「 #MeToo からの新たな挑戦~声をあげた人たちを守ろう&社会意識を変えよう!」と題したパラレルイベントを共催。伊藤弁護士はこちらにスピーカーとして出席していた模様。メインゲストは伊藤詩織氏。モデレーターに AERA に寄稿している現地在住のジャーナリスト津山恵子氏。