dancept1の備忘録

答弁権のエソロジー

第35回人権理事会:意見と表現の自由に関する特別報告者との双方向対話


文書番号:HRC17/086E

ノート:

  • (報告書とメディアの在り方について雑感)

    • ケイ氏の報告に関しては、日本のテレビ、新聞等でも報じられていたが、当会議要約にも採録されたように、氏が記者クラブの問題を「勧告」で取り上げたことを報道したのは寡聞にして知らない。メディアは報道しない「自由」を行使するのであった。

    • 活字メディアとの関連で(「法執行機関」と慣れあう)記者クラブ→「主流全国日刊紙」→「5大民放ネットワーク」による情報独占を取り上げているが、記者クラブおよび放送法を懸念するのであるなら、記者クラブ同様に「意見と表現」を制約する、免許制度による地上波の独占まで突っ込んでもらいたいものだった。が、放送法については、政府・与党(の圧力)vs メディア(の抵抗)という構図から離れることはない(そうした見方が日本においても重要ではないとは言わないが)。というか自由化論者は免許制による独占が「意見と表現」を制約するというインプットを行なって特別報告者を利用すべきなんでしょう(「表現の自由」が侵害されたらこちらへGo!)。既得権者たるマスコミ業界ではそのようなインセンティブは働かない。

    • 記者クラブに類するものはアメリカにもあると聞いた気もするが、下記も含めて日本の閉鎖性の比ではないということか。

    • 「日本におけるメディアの雇用の構造そのものが、政府からの圧力に耐え、報道機関を跨ぐ結束を強めるといった取組に影響を及ぼす可能性がある」というのはそうなんでしょうね。功罪指摘される企業内レベルでの労働組合と同様。

    • 「コメンテーター3名」についてはきちんと事実確認せいとしか。
  • ジュネーブでの日本政府の対応について、沖縄タイムスが報じている(ヒューマンライツ・ナウ「ニュース & イベント」より)。
    足早に会場を後にした大使を、「トップが出ろ、と東京から指示があった。声明も全て東京で書いているから、聞かれても答えようがない」と「関係者」が代弁したそうだが、そんな「代弁」は別にいらん。しかし阿部浩己教授は、日本政府の対応が「ダブルスタンダード」と批判するが、国連が無謬だとでも言うのだろうか。伊藤和子弁護士が「どの国も完璧ではない」というように、国連も「完璧」ではない。

  • 当会議要約、特別報告者の訪日報告書(A/HRC/35/22/Add.1)がリンク切れ。指定のリンクアドレス体系に異常も見られず、国連公式文書システム(例:Symbol = "A/HRC/35/22" による検索)や国連人権高等弁務官事務所国連憲章に基づく機関データベースでも抽出されないので勘ぐってしまうが、Add.2 、Add.3 のタジキスタン、トルコも落ちていた。第35回人権理事会報告書一覧ページでは確認できる( Word 文書、PDFは上記外務省掲載を参照)。報告書一覧ページには 「先行未編集版(Advance Unedited Version)」、文書自体の注釈に「今回の報告書は、最新の動向を反映するために締め切り後に提出された。」とあるのでそこらへんが関係してるっぽいが、単なるアップロードミス?。
  • 下記も参照のこと。
    (理事会の注意を要する人権状況に関する一般討論)

    (意見と表現の自由に関する特別報告者との双方向対話)

掲載URL:
http://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/4B4CF7C6573F3967C125813D005563E5?OpenDocument


HUMAN RIGHTS COUNCIL BEGINS INTERACTIVE DIALOGUE WITH THE SPECIAL RAPPORTEUR ON FREEDOM OF OPINION AND EXPRESSION
人権理事会、意見と表現の自由に関する特別報告者との双方向対話を開始

12 June 2017
2017年6月12日

The Human Rights Council this afternoon began an interactive dialogue with David Kaye, the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression.
人権理事会は、この午後、意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者、ディヴィッド・ケイとの双方向対話を開始した。

Mr. Kaye recalled that human rights law protected everyone’s right to seek, receive and impart information and ideas of all kinds, regardless of frontiers and through any media. Yet State and non-State threats to freedom of expression were on the rise, including demonization of the media as enemies, dissemination of disinformation, and reliance on counter-extremism to restrict and punish legitimate dissent. He spoke about his visits to Japan, Tajikistan and Turkey.
ケイ氏は、人権法は、国境を越えることや、いかなるメディアを通すかを問わず、すべて人の、あらゆる種類の情報や思想を求め、受け取り、伝える権利を保護していることを想起した。しかしながら、表現の自由への国家や非国家の脅威は高まっており、敵対者としてのメディアの悪魔化、偽情報の流布、正当な異議を制限し処罰するための反過激思想への依存などがあった。彼は、日本タジキスタン、トルコへの訪問について発言した。

Japan, Tajikistan and Turkey spoke as concerned countries.
日本タジキスタン、トルコが関係国として発言した。

In the discussion, many delegations expressed concern about the growing trend of internet shutdowns and other State-sponsored disruptions of access to information online. Speakers also noted the importance of involving private digital sector entities in the process of promoting uncensored access to the internet and identifying good practices. Many speakers outlined the importance of not allowing freedom of speech to become a banner to cover illegal activities such as terrorism, hate speech or defamation. Speakers also asked the Special Rapporteur whether there were areas of cooperation between internet service providers and human rights mechanisms to avoid abusive pressures by States.
討論では、多くの代表団が、インターネットのシャットダウンの増加傾向や、他の国家が主導したオンライン情報へのアクセスの中断について懸念を表明した。発言者はまた、インターネットへの無検閲のアクセスを促進し、優れたプラクティスを特定する過程において、民間デジタルセクターの存在を関与させることの重要性を指摘した。多くの発言者は、言論の自由が、テロリズムヘイトスピーチ、誹謗中傷などの違法行為を覆う旗印になることを許さないことの重要性を概説した。発言者はまた、特別報告者に、国家による虐待的な圧力を防ぐために、インターネットサービス提供者と人権機構とのあいだに協力分野があるかどうか尋ねた。

Speaking were the delegations of Russian Federation, Austria, Estonia, Maldives, Venezuela, Spain, Tunisia, Brazil, European Union, Argentina, Benin, United States, Belgium, Germany, Norway, Australia, Switzerland, Poland, Sudan, Pakistan, Cuba, France, Namibia, Egypt, Latvia, Albania, South Africa, Portugal, Iran, Israel, Angola and Tunisia.
発言は、ロシア連邦オーストリアエストニアモルディヴベネズエラ、スペイン、チュニジア、ブラジル、欧州連合、アルゼンチン、ベナンアメリカ合衆国、ベルギー、ドイツ、ノルウェー、オーストラリア、スイス、ポーランドスーダンパキスタンキューバ、フランス、ナミビア、エジプト、ラトビアアルバニア南アフリカポルトガル、イラン、イスラエルアンゴラチュニジアの代表団だった。

[…]

Documentation
ドキュメンテーション

The Council has before it the Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression (A/HRC/35/22).
理事会には、それ以前に、意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者の報告がある(A/HRC/35/22)。

The Council has before it an addendum to the Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression - mission to Japan (A/HRC/35/22/Add.1).
理事会には、それ以前に、日本へのミッションである、意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者の報告への補遺がある(A/HRC/35/22/Add.1[リンク切れ、ノートのリンク先参照])。

[…]

The Council has before it an addendum to the Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression - Supplementary Materials Accompanying Annual Report A/HRC/35/22 (A/HRC/35/22/Add.4).
理事会には、それ以前に、年次報告書A/HRC/35/22に添付の補足資料である、意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者の報告への補遺がある(A/HRC/35/22/Add.4)。

The Council has before it an addendum to the Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression - comments by Japan (A/HRC/35/22/Add.5).
理事会には、それ以前に、日本によるコメントである、意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者の報告への補遺がある(A/HRC/35/22/Add.5)。

[…]

Presentation of Reports by the Special Rapporteur on the Promotion and Protection of the Right to Freedom of Opinion and Expression
意見と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者による報告のプレゼンテーション

[…]

Regarding his visit to Japan, he said the country enjoyed strong legal foundations for freedom of opinion and expression, yet encouraged the Government to consider three recommendations related to media independence. They included that the Government should take steps to ensure broad access to information, as the press club or “kisha” system discouraged investigative reporting. Other recommendations included ensuring access to independent historical bases for textbook coverage, especially of issues such as the World War II “comfort women” abuses.
日本への訪問に関しては、彼は、同国は意見と表現の自由のための強力な法的基盤を享受したものの、メディアの独立に関連した三つの勧告を政府が検討するよう促したと述べた。それらには、プレスクラブまたは「キシャ」システムが調査報道を妨げたため、政府が情報への幅広いアクセスを確保するための措置を講じるべきであるということなどが含まれた。その他の勧告には、特に第二次世界大戦の「慰安婦」虐待などの問題について、教科書記載のための独立した歴史的根拠へのアクセスを確保することなどが含まれた。

[…]

Statements by the Concerned Countries
関係国による声明

Japan, speaking as a concerned country, noted that it fully respected freedom of speech and the media as a cornerstone of democracy. It regretted that some parts of the report were written without accurate understanding of the Government’s explanation and its position. It was noted that the Constitution of Japan fully guaranteed freedom of expression and the right to know. There was no such fact that the Government officials had put pressure on journalists illegally and wrongfully. There had been no cases in which the operation suspension order had been applied by the Broadcast Act. Freedom of expression, including through protest activities, was guaranteed to the maximum extent. Unnecessary and disproportionate restrictions were not imposed, and the law enforcement agencies performed their duties in accordance with relevant laws and regulations. Regarding the Specially Designated Secrets Act, information gathering performed by journalists was not punished under that act.
日本は、関係国として発言し、民主主義の礎石として言論とメディアの自由を完全に尊重していたと指摘した。報告の一部が、政府の説明とその立場を正確に理解せずに書かれていたことは遺憾だった。日本国憲法は、表現の自由と知る権利を完全に保証していたと指摘した。政府関係者がジャーナリストに不法かつ不当に圧力をかけるような事実は無かった。放送法により業務停止命令が適用された事例は無かった。抗議活動を含む、表現の自由は最大限保証された。不必要かつ不均衡な制限は課せられず、法執行機関は関連する法規に従って職務を執行した。特定秘密保護法に関しては、ジャーナリストが行なった情報収集は、同法令に基づいて罰せられることはなかった。

[…]


2017年07月01日
2017年12月22日(外務省ホームページ掲載文書差替/追加の改訂を反映)